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「市販テキストがよいか、それとも資格スクールの通信講座か」
FPの学習ツールといえば、少し前まではこの二択でほぼ決まりでした。

この記事の筆者は、2016年から2020年にかけてのFP受検者です。当時の学習ツールといえば、
・費用を抑えるなら市販テキスト
・講義で効率よく学ぶなら通信講座
このくらい単純でした(筆者が知らなかっただけかもしれないけど…)
しかし近年は、FP技能検定に特化した無料の解説動画や無料の過去問サイトが充実しています。
市販テキストにも、解説動画や問題演習アプリなどを利用できるものが登場しました。通信講座も、利用できる教材や機能を減らし、価格を抑えたものが見られます。
ただ、それぞれが別々に進化した結果、どの学習ツールが今どこまでできるのかがわかりにくくなりました。

古い体験談や口コミを参考にすると、
「今ならもっと自分に合う学習ツールがあるのに見落としてしまう」かもしれませんし、「今では無料が当たり前」となったサービスにお金を払ってしまうこともあるかもしれません……
選択肢が増えたぶん、「自分にとってちょうどよい学習ツール」を前よりも選びにくくなったと感じます。
この記事では、現在使えるFPの学習ツールを整理し、それぞれ何ができるのか、どんな人に向いているのかを比較します。

1級FPライター
イシダ
FP全級を独学で一発合格(1級はきんざい学科→協会実技)/相続とタックスが得意/元・会計事務所/ Lancers金融ライタースペシャリスト認定
FPの勉強方法は4種類の学習ツールに分けて考える
FPの学習ツールは、大きく次の4つに分けて考えると選びやすくなります。

・市販テキスト
・YouTubeや過去問サイトなどの無料ツール
・複数のツールを組み合わせるハイブリッド型
・資格スクールなどの通信講座
以前は、「市販教材を買うか」「通信講座を申し込むか」を比べれば十分でした。
しかし現在は、市販教材でも購入者特典として解説動画やアプリを利用できたり、無料ツールだけでも良好な学習環境を整えられたりします。
それぞれの学習ツールでどこまでできるのかを知ることが、後悔のない選択につながります。
学習ツール①:市販テキスト
市販テキストが向いているのは、次のような人です。
・紙の教材(書籍)を軸に、文字や図解で勉強したい人
・気になるテーマを自由に深掘りし、書き込みを加えながら自分のペースで勉強したい人
・教科書と問題集のセットなど、同じシリーズの学習セットで比較的安価に学習を始めたい人
紙の教材を軸に自分のペースで進めたい人に向いている
市販テキストの大きなメリットは、教材の書籍を手元に置けることです。問題を解いてわからないところがあれば、ページを手でめくって教科書の対応する場所に戻って確認できます。
出題範囲の広いFPでは、「教科書でインプットしたテーマを、問題集ですぐに定着させる」を繰り返すのが王道です。紙の教材を軸にする学習方法は、こうした使い方と相性がよいといえます。
また、紙の教材ならではの強みとして「この論点はページのこのあたりにあったはず…」と視覚情報からも記憶に残せることがあります。
さらに書き込みも自由にできるため、自分で深掘りして調べた内容を書き加えることにより、オリジナルの教材に育てることもできます。
解説動画や問題演習アプリ付きの教材もある
現在の市販教材は「紙だけ」とも限りません。シリーズによっては解説動画や問題演習アプリ、CBT形式の模試なども利用できます。
そのため、市販テキストを使う場合も、紙面のわかりやすさだけでなく、購入者特典まで含めて選ぶ価値があります。
費用の目安は、教科書と問題集をそろえる場合で、次のとおりです。
・FP3級:3,500円~
・FP2級:4,500円~
試験前に予想模試を追加するなら、3級で1,700円台~、2級で2,300円台~が一つの目安になります。
市販テキストは比較的安く始められるうえ、必要になれば別のツールを後から足しやすい学習方法です。
各級のテキストや購入者特典の有無は、こちらの記事でまとめています。
おすすめの予想模試はこちら
学習ツール②:無料ツール
FP3級・2級では、無料ツールでもかなりの学習環境を作れます。
・教材費をできるだけかけずに勉強したい人
・必要な講義や問題を自分で探して選べる人
・複数のサービスを組み合わせ、説明や学習範囲の違いを自分で整理できる人
過去問サイトなら問題演習量を増やしやすい
特にFP学習と相性がよいのが過去問サイトです。
制度の違いや細かな数字まで覚える必要のあるFP試験では、アウトプットしながら「覚えきれていないところ」をなくす作業が重要になります。
過去問サイトなら、スマートフォンで空いた時間に問題を解くことができますし、最近の無料の過去問サイトは苦手分野だけ、特定のテーマだけを繰り返し解くなどもできます。
市販の問題集1冊に収録されている量より、多くの問題演習をこなせることは過去問サイトを利用する大きなメリットです。
YouTubeは自分に合う解説者を選べる
YouTubeの解説動画なら、場所を選ばずにFPの出題範囲をインプットできるようになります。
また私が考えるYouTube学習の良いところは、複数の解説者の動画を実際に見て、自分に合う話し方や説明の仕方のチャンネルを選べることです。

私は人の話し声を聞き取るのが昔から少し苦手で、話すスピードが一定でなかったり、「あー」「えー」が多かったりすると、内容に集中できなくなるんです…
YouTubeなら数分見れば、「この人の説明なら聞けそう」「これは自分には合わない」と判断できます。
市販テキストの購入者特典や通信講座にも動画での解説はありますが、YouTubeなら複数の解説者を気軽に比較できる点が便利です。
学習環境を自分で作る手間が増える
一方、複数の無料ツールを自分で組み合わせる場合、学習全体のカリキュラムまでは用意されていません。
「まず何をするか」「次にどこまで進むか」といった学習の道筋は、自分で決める必要があります。

それともう一つ、無料ツールを使うときは、自分が受ける試験に対応した情報かも確認しておきたいところです
FP試験には「法令基準日」があり、税制や社会保険制度などは改正によって内容が変わります。
最新のテキストであれば法改正に対応していますが、自分で無料ツールを組み合わせる場合、たとえば対象の動画がアップロードされた日付けなどは自分で気を付けておく必要があります。
とはいえ、古くなった教材がすぐに使えなくなるわけでもありません。

実際にこの記事の筆者は、1級のテキストを買ったあとやる気がなくなってしばらく放置しており、1年古くなったテキストで合格しています
新しい教材が必要かどうか迷う方は、こちらの記事も参考にしてください。
無料ツールのみで合格は可能か
YouTubeの解説動画や無料の過去問サイトを使い、教材費0円で合格することは、理論上は可能だと思います。
ただし、軸となる教材がないため、動画などから集めた情報を自分で整理する必要があります。
教材費の代わりに自分で学習環境を整える手間が生じる、「無料の代償」があるのです。

苦手なテーマはノートなどに論点を整理し、問題が解けなかったときにすぐに復習できる環境を作っておいたほうが学習効率はよいと思います
学習ツール③:ハイブリッド型
・軸となる教材を決めたうえで、足りない部分だけ別のツールで補いたい人
・紙・動画・スマートフォンなど場所を選ばず学習したい人
・不要なサービスには費用をかけず、必要な学習機能だけを取り入れたい人

「ハイブリッド型」は当サイトが便宜上そう呼んでいるだけです
わかりにくかったらごめんなさい……
学習ツールを組み合わせる
ハイブリッド型とは、インプット・問題演習・試験前の仕上げなどの目的に合わせて別の学習ツールを組み合わせる方法です。
最近はFPの合格者ブログなどでも、「市販テキストで勉強しながら、無料の過去問サイトを繰り返した」といった学習方法を見かけるようになりました。
たとえば、次のような組み合わせが考えられます。
・インプットは紙のテキストを軸にし、問題演習は無料の過去問サイトを使う
・動画をすべて視聴する時間はないためメインは紙のテキストだが、理解しにくいところだけYouTubeの解説動画を見る
・すべて無料ツールで学習してきたが、合格レベルに到達したか確認したいので、試験前に市販の予想模試を解いてみる

学習を進めるなかで「ここが足りない!」と感じたときに、必要な部分だけ別のツールで補う方法です。
ここでは、その学習スタイルを「ハイブリッド型」と呼んでいます
軸となる教材を決める
一方で、学習ツールを増やせば勉強しやすくなるわけではありません。むしろ同じ内容を別々の教材で勉強すると、どこまで進んだのかわかりにくくなります。
そのためハイブリッド型では、インプットはどれか一つの教材を軸にし、足りない機能だけ補う使い方がおすすめです。

逆に「この教材をこの順番でやる。本番前はこれをすればOK」のように学習計画まで定まったもののほうが学習に集中できる場合は、通信講座を検討する価値があります
学習ツール④:通信講座
通信講座が向いているのは、次のような人です。
・自分で学習方法を組み立てるより、用意されたカリキュラムで進めたい
・講義・教材・問題演習を一つのサービスでそろえたい
・質問対応や学習管理などのサポートも利用したい
合格までの学習環境をまとめて用意してもらえる
通信講座のメリットは、合格までの学習環境をまとめて用意してもらえることです。
一般的な通信講座では、プロの講師による講義、それに連動する教材、問題演習、模試などが一つのカリキュラムとして組まれています。
さらには、わからないところの個別質問や、学習管理(スケジュール管理や正答率の管理など)といった、市販の教材や無料ツールでは通常得られないサポートも揃っています。
市販テキストや無料ツールが進化を遂げた今、通信講座にお金を払う価値について私は、「何を、どの順番で、どこまでやるか」といった学習環境を用意してくれることにあると思います。

勉強一日目から試験直前までの計画とそれを実現できる環境を丸ごと用意してもらえます
こちらが法改正などを心配する必要もありません
思う存分、勉強に集中することができます。
欲しい機能があるかどうか選ぶ
一般的な通信講座は数万円~と高額ですが、価格の選択肢は広がっています。
たとえば、教材をWebでの閲覧に限定したり個別質問など一部のサポートを省いたりすることで、3級であれば1万円以内に価格を抑えている講座もあります。

いくら安くても、それは「サポートをそぎ落とした結果」かもしれません
「あれれ?これなら購入者特典のある市販テキストと変わらなくない?」みたいな講座を申し込むと割高かも…
安価な通信講座を選ぶときは、自分が欲しい学習環境が含まれているかを必ず確認するようにしましょう!
自分で学習計画や苦手分野を管理することが苦にならないなら、市販教材や無料ツールの組み合わせで十分だと思います。
逆に、そうした管理を任せたいなら、通信講座へお金を払う意味があるといえます。
一つ、めずらしいサービスとして月額1,000円台でFPをはじめとするさまざまな講座が受け放題となるサブスク型の講座があります。
どこまでできるのかこちらでレビューしました。
2級を目指すならAFP認定研修も選択肢
FP2級を目指す方は、学習ツールを決める前に2級の受検資格も確認しておきましょう。
2級は誰でもすぐに受けられるわけではなく、「FP分野に関する2年以上の実務経験」「3級合格」、そして「AFP認定研修の修了」のいずれかを満たす必要があります。
まだ受検資格がなく、通信講座を検討している場合は、AFP認定研修の「基本課程」も選択肢の一つです。
AFP認定研修の基本課程は、AFP登録の要件となる研修なのですが、実は研修内容にFP2級対策が含まれています。
講座によっては、比較的手ごろな価格で、講義・教材・問題演習・質問といった通信講座の学習環境を利用しながら2級合格を目指せます。

2級を目指していて、かつ、AFP登録に興味もある方なら、通信講座とあわせて「基本課程」を検討する価値があります
こちらの記事で、おすすめの基本課程や費用を解説しています
まとめ FPの学習ツールは「必要な環境」で選ぶ
FPの学習ツールは、もはや「市販テキストか通信講座か」という二択だけで決めるともったいない状況です。
学習ツールを選ぶなら、次の3点がポイントになります。
・市販テキスト:購入者特典まで含めて選ぶ
・無料ツール:費用は抑えられるが学習環境は自分で整える
・通信講座:自分の欲しい学習環境が揃っているかを事前確認する
紙の教材を軸に、学習を安価に進めたい方はこちらです。購入者特典も比較しています。
他の資格にも興味がある方におすすめです。
2級とAFPの取得を、通信講座で検討している方におすすめです。

