FP(ファイナンシャルプランナー)の古いテキストは買い替えが必要か

FPの古いテキストは買い替えが必要かを解説

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「FPのテキストを前に買ったが、受検しないまま新しい年度に入ってしまった…」

「合格した人からテキストをもらったが、最新版じゃないので買い替えるべきか迷っている…」

古くなったそのテキストには、法改正によってすでに変わっている内容も書かれているかもしれません。貴重な時間を古い情報を覚えることに費やしてしまうのはもったいないことです。

もしそれが絶対に嫌なら、迷わず最新版に買い替えてから勉強するべきです。

しかし一方で、「ちょっとくらいならムダが発生したとしても、合格できるなら構わない」と割り切れるなら、個人的には2年ほど前までのテキストなら、無理に買い替えなくてもよいと思います。

実際にこの記事の筆者も、FP1級のテキストを買ったまま放置して、1年落ちで合格しています

改正点はねらわれやすい論点ですが、合否に影響するほど出題量があるかというとそこまでではありません

他でしっかり得点できれば、テキストが多少古くても十分に合格できます。

この記事を書いた人

1級FPライター

イシダ

プロフィール

FP全級を独学で一発合格(1級はきんざい学科→協会実技)/相続とタックスが得意/元・会計事務所/ Lancers金融ライタースペシャリスト認定

FPのテキストが古いと何が問題なのか

FP技能検定には「法令基準日」がある

FP技能検定の試験問題には、法令の基準日があります。

3級と2級では、毎年6月を境に、その年の4月1日施行の法令を基準に試験問題が作成されるルールになります。

試験期間法令基準日
2026年6月~2027年5月2026年4月1日
2027年6月~2028年5月2027年4月1日

1級学科では、4月と10月が基準日になります。

具体的には以下のとおりです。

1級学科の試験日法令基準日
2026年9月2026年4月1日
2027年1月2026年10月1日
2027年5月2026年10月1日

1級の実技の法令基準日は、試験の実施団体で変わります。

実施団体試験日法令基準日
日本FP協会
(筆記)
9月その年の4月1日
きんざい
(面接)
9月・1月・5月試験日現在

筆記試験であるFP協会の実技は年1回・9月であり、その年の4月1日が法令基準日になります。

一方、金融財政事情研究会(きんざい)の実技は面接形式であり、試験日の施行法令が基準となります。

古い情報で勉強すると高確率で間違える

古いテキストで改正された内容をしっかり覚えてしまうと、それによって間違った選択肢を選びやすくなります。

単に答えがわからないのではなく、「正しい答えが間違いにみえる」ため勉強している人ほど高確率で間違えるのです

たとえば、2024年1月以降、FPの頻出論点である相続時精算課税制度が大幅に改正されました。

実際に学科試験で初めて出題されたのは、1級は最速の2024年9月、2級は2025年1月試験でした。

当時、2級はCBT形式にまだ移行していませんでした

3級はすでにCBT形式のため年1回分(5月公表分)しか確認できませんでしたが、2026年5月公表分でその出題を確認できました。

改正内容については割愛しますが、問題のほとんどが「相続時精算課税制度の基礎控除110万円」に関する選択肢です。

従前の相続時精算課税をよく勉強している人ほど、「暦年課税との混同をねらったひっかけ」にしか見えないため、正答することが難しくなっています。

とはいえ、改正してまもない出題数は、全体をみればごく一部です。

その点に納得できれば、多少古いテキストを使っていても、大きな障壁にはなりません。

疑心暗鬼になり学習が進まない

古いテキストで勉強することには、「テキストが間違っているかもしれない」と教材を疑ってしまう問題もあります。

不安を感じるたびに自分で調べることとなり、学習が進まなくなります。

市販のテキストで独学する場合、テキストは「先生」のような存在です

先生を信頼できないと授業が頭に入ってこない…

経験のある方は多いのではないでしょうか

改正直後の出題を実際に数えてみた

日本FP協会と金融財政事情研究会(きんざい)が公表している、3級と2級の学科試験の過去5回分のうち、適用開始から3年内の税制からの出題がいくつかあるかを数えてみました。

調査対象は、タックスプランニングと相続・事業承継の2分野と、他4分野の税務問題です

60問中23問前後(約38%)に対する調査となります

税制を調査対象にした理由は、毎年度改正があり、かつ、出題数が多いからです。

調査結果は以下のとおりです。数え間違いがあったらすみません。

3級・学科

(※)2024年5月以降のCBT形式は年1回の公表問題で検証

2026年5月(3問)・CBT公表分

論点内容適用開始
所得税の基礎控除控除額58万円2025年分
新NISA恒久化2024年
相続時精算課税基礎控除の創設2024年

2025年5月(1問)・CBT公表分

論点内容適用開始
新NISA非課税限度額2024年

2024年5月(1問)・CBT公表分

論点内容適用開始
新NISA非課税限度額2024年

2024年1月(0問)・2023年9月(0問)

該当なし

2級・学科

(※)2025年5月以降のCBT形式は年1回の公表問題で検証

2026年5月(0問)・CBT公表分

該当なし

2025年5月(2問)・CBT公表分

論点内容適用開始
新NISA一般知識2024年
相続時精算課税基礎控除の創設2024年

2025年1月(2問)

論点内容適用開始
相続時精算課税基礎控除の創設2024年
相続登記義務化2024年4月

2024年9月(3問)

論点内容適用開始
上場株式の配当所得税と住民税の課税方法の統一2024年度分住民税
住宅ローン控除所得要件2,000万円以下に引下げ2022年
インボイス制度一般的な制度内容2023年10月

2024年5月(1問)

論点内容適用開始
インボイス制度一般的な制度内容2023年10月

【結論】3級・2級は最新でないテキストでも合格は十分可能

あくまで税制の範囲を調べた結果ですが、3年内の改正に関わる出題は、1回の試験(23問前後)あたり0~3問でした。

これに「ライフプランニングと資金計画」で出題される社会保険の改正を含めれば、もう少しあると思います。

ただ、社会保険の問題数は1回の試験あたり7問前後ですので、税制関係ほど数はありません。

いずれにせよ、合格ラインは60問中36問以上の正答ですから、十分合格を目指せる範囲です。

「〇年古くても絶対に大丈夫」…とは言えませんが、今回の調査結果から、お持ちのテキストが2年ほど古い程度なら、合格のために買い直さなくても大丈夫だと思いました。

古いテキストを使わない方がいいケース

ただし、古いテキストを使わない方がいいケースもあります。

短期合格をねらう場合

「2か月以内に合格しなければならない」のような差し迫った状況にある方は、新しいテキストを買ったほうがよいです。

テキストが間違っているかもしれない」と疑いながら学習すると、なかなか勉強が進まないからです。

すでに古いテキストでの勉強がかなり進んでいる状況なら、教科書を途中で変えるより、問題演習を重視した1冊を買い足すことをおすすめします。

出題数が多いわけではないため、テキストの覚え直しよりも問題演習で身に着けるほうが早いと考えるからです。

この状況なら、FPキャンプさんのTEPPENシリーズが合うと思います。選ぶときの参考にしてみてください。

3級2級
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こちらの記事で、TEPPENシリーズも含めた市販テキストの特徴を比較しています。

FP1級学科を受ける場合

1級学科の場合、選択肢1つ1つの難易度が高く、明らかに間違っているようなものはありません。

知識があって2択まで絞れても、のこりの2択で外すことがよくあります。

何が最後の1点を決めるかわからないので、新しいテキストに買い替えておいて損はありません。

もう一つ重要なのが、1級の応用編でほぼ確実に出題される年金の計算問題です。

この問題では、法令基準日の老齢基礎年金の満額(毎年4月に改訂)をもとに年金受給額を計算させることが多いのですが、肝心の金額が問題文に与えられないため、かならず事前に覚えておかなければなりません。

ところが、試験直前に慌てて日本年金機構のWebサイトで調べても、試験ではダメな場合があります。

5月試験の法令基準日が前年の10月だからです。

その直前の4月に改訂された最新の年金額ではなく、前年4月のものを使用しなければなりません。

つまり「9月・1月・5月」の3回分は同じ年金額を覚えて試験会場にいかなければならないのです。

年度
(4月~翌年3月)
老齢基礎年金
(満額)
対応する試験
(3回分)
2026年度847,300円2026年9月・2027年1月・5月
2025年度831,700円2025年9月・2026年1月・5月
2024年度816,000円2024年9月・2025年1月・5月

最新のテキストは、この老齢基礎年金の基準日が変わるのと同じタイミングで出版されます。

他の制度も4月から施行されるものが多いため、「9月・1月・5月」を1セットにするのが、改正点を効率よく押さえやすいサイクルなのだと思います。

つまり新しいテキストに買い換えれば、法令基準日を意識しなくても正しい年金額で勉強できるのです。

【例】2026~2027年度版のテキスト

・対応している試験:2026年9月・2027年1月・5月(3回分)

・出版時期:例年2026年5月下旬から6月上旬ころに各社出版

私の場合、テキストは1年落ちのまま最新の法改正に対応した問題集を買い足しました。

こちらの記事で、そのことも踏まえたテキスト選びについて解説しています。

古いテキストのままで合格を目指すなら

改正直後の出題数は多くはないものの、試験回ごとにばらつきが生じます。

もしFPにとって重要な改正が重なれば、さきほどの調査結果を超える場合もあります。

古いテキストのままで合格を目指すのが不安なら、予想模試の追加がおすすめです。

おすすめ予想模試

おすすめは「爆速合格」です

旧名称は「本試験をあてる」になります

2026‐2027年版から、3級と2級は「爆速合格」に変わりました。

私は3級から1級まで、すべてこの予想模試を解いて一発合格しています!

私が知る限り、的中した問題数を毎回検証して公開しているのは、このシリーズくらいです

最新版の的中率こちら(↗Amazonのサンプルページ PCのみ)からご確認いただけます!

これほど的中する問題集ですから、本番での得点予想にもなりますし、やり込むことで実力も上がります。

最新版なら法改正にも対応しており、不安を払拭するのにちょうどいい一冊です。

1級については旧名称の「本試験をあてる」のままです。

1級は試験ごとに新しい模試が出版されます

法改正対策の仕上げに最適なスタイルといえるでしょう!

1級は約4,000円ですので、TACの公式サイトでも送料無料で入手できます。

迷ったら「安心して勉強できるか」で決める

FP3級と2級なら、2年ほど前のテキストでも、改正点以外をしっかり得点できれば合格は十分に目指せます。

ただ、実際に勉強するときに「この数字は今も同じだろうか」「ここは改正されていないだろうか」と気になってしまう方は、無理をせず最新版に買い替えたほうが効率がよいでしょう。

一方、多少の問題の取りこぼしを割り切れるなら、古いテキストはそのままに、最新の予想模試で得点アップをねらう方法がおすすめです。

私も1級は1年落ちのテキストのまま、最新の問題集を追加購入して合格しました!

各級のテキストをこちらで比較しています。