FP1級と2級の違いは?|受検資格・試験形式・難易度を比較

FP1級と2級の違い|受検資格・試験形式・合格基準・勉強時間などを比較

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FP2級に合格した方が1級を目指すとき、2級から変わる試験のしくみについて知っておかなければなりません。

この記事では、FP1級と2級の違いを一覧表で比較しながら、1級を受ける前に知っておきたいポイントを順番に解説します。

この記事を書いた人

1級FPライター

イシダ

プロフィール

FP全級を独学で一発合格(1級はきんざい学科→協会実技)/相続とタックスが得意/元・会計事務所/ Lancers金融ライタースペシャリスト認定

FP1級と2級の違い一覧

FP技能検定の1級は学科と実技で受検資格が異なるなど、2級までと変わる点が多数あります。

2級から変わる主な違いは以下のとおりです。

2級(学科・実技)1級学科1級実技
試験機関きんざいとFP協会きんざいのみきんざいとFP協会
試験形式CBT形式筆記形式・きんざい:面接
・FP協会:筆記
試験回数随時受検可能年3回
(9月・1月・5月)
・きんざい:年3回(2月・6月・9月)
・FP協会:年1回(9月)
受検手数料11,700円
(学科5,700円+実技6,000円)
8,900円・きんざい:28,000円
・FP協会:20,000円
試験範囲6分野の一般的な知識や概略6分野の詳細な知識6分野の詳細な知識
法令基準日【基準日】
・毎年4月1日
【改訂日】
・毎年6月に変わる
毎回変わる・きんざい:試験日現在
・FP協会:毎年4月1日
【重要】
受検資格
いずれか一つ
・3級合格者
・AFP認定研修修了者
・実務経験2年以上
いずれか一つ
・実務経験5年以上
・2級合格+実務1年以上
いずれか一つ
・1級学科合格者
・CFP試験6課目合格者

・FP養成コース修了+実務1年以上
以上は受検に期限あり
以下は無期限で受検可
・1級合格者
・CFP認定者
出題形式・【学科】四肢択一
・【実技】択一式&記述式
・【基礎編】四肢択一(マークシート)
・【応用編】記述式(筆記)
・きんざい:設例課題2題
・FP協会:事例2題(計20問)
試験時間・【学科】120分
・【実技】90分
同日でも別日でも可
・【基礎編】150分
・【応用編】150分
午前午後で同日に受検
・きんざい:1題あたり12分ほど
・FP協会:120分
【重要】
合格基準
・満点の6割以上
・学科・実技それぞれで合否判定
基礎編・応用編を合わせて満点の6割以上(120点以上/200点)・満点の6割以上
勉強時間
(目安)
100時間~300時間200時間~600時間試験形式による
合格率50%前後12%前後80~90%
電卓持込み不可
(きんざいとFP協会の両方)

試験機関・試験形式・試験回数・受検手数料の違い

2級(学科・実技)1級学科1級実技
試験機関きんざいとFP協会きんざいのみきんざいとFP協会
試験形式CBT形式筆記形式・きんざい:面接
・FP協会:筆記
試験回数随時受検可能年3回
(9月・1月・5月)
・きんざい:年3回(2月・6月・9月)
・FP協会:年1回(9月)
受検手数料11,700円
(学科5,700円+実技6,000円)
8,900円・きんざい:28,000円
・FP協会:20,000円

1級学科はきんざいのみ

FP3級・2級は金融財政事情研究会(きんざい)と日本FP協会がそれぞれ実施しており、どちらに申し込むこともできます。

FP1級では、学科はきんざいのみが実施し、実技はきんざいとFP協会の両方が実施しています。

1級学科を申し込めるのは、金融財政事情研究会(きんざい)のWebサイトだけですので、注意が必要です。

金融財政事情研究会|FP1級(学科・実技)受検申請 ↗(外部サイト)

FP協会のWebサイトに掲載されている1級に関する情報は、実技の情報になります!

1級学科はCBT形式ではない)

FP3級は2023年~2024年にかけて、FP2級は2025年から、CBT形式での受検に移行しました。

これに対してFP1級学科は、現在も筆記試験です。

試験回数は年3回(5月・9月・1月)で大幅にチャンスが減るため、計画的に学習を進める必要があります!

市販の教材で学習される方は、法改正に合わせた改訂版が「5月~6月」にでるため、購入するタイミングにも注意したいところです!

実技試験では面接も選べる

1級の実技ではFP協会ときんざいで問題が変わり、きんざいは面接形式(口述試験)になります。

待ち時間に事例が与えられ、その事例に対する試験官からの質問に応える形式です。

FP協会を選択すれば、2級までと同じように筆記形式でも受検できます。

以下は、3級・2級・1級の実技の比較表です。

3級実技2級実技1級実技
きんざいいずれか選択
・個人資産相談業務
・保険顧客資産相談業務
いずれか選択
・個人資産相談業務
・中小事業主資産相談業務
・生保顧客資産相談業務
・損保顧客資産相談業務
資産相談業務
(この試験のみ面接)
FP協会資産設計提案業務資産設計提案業務資産設計提案業務

1級も、きんざいかFP協会のどちらか一方に合格すれば1級FP技能士を名乗れます

実技の受検手数料は、きんざいが28,000円、FP協会が20,000円です。申し込み先の違いによって受検手数料が変わります。

試験範囲の違い

試験の出題範囲は、2級・1級ともに以下の6分野です。分野ごとの出題項目もほぼ同じになります。

ライフプランニングと資金計画
リスク管理
金融資産運用
タックスプランニング
不動産運用
相続・事業承継

違いは、各項目の深さです。

3級と2級では出題範囲が明確に広がりますが、1級では2級とほぼ同じ出題範囲をベースに、2級では「〇〇についての一般的な知識」や「概略の知識」と指定されていた項目が、1級では「〇〇についての詳細な知識」(「概略の知識」でよかったものは「一般的な知識」)に格上げされます。

金融財政事情研究会|ファイナンシャル・プランニング技能検定試験科目及びその範囲↗(外部サイト)にて確認

3級から2級では面積が大きくなり、1級ではそれに高さがついて、体積で量が増えるイメージです。

FP3級・2級・1級の出題範囲の変化

この違いにより、2級では出題されなかったマイナーな制度も対象になりやすくなり、1つ1つの選択肢の難易度は大きく上がります。

一方で、2級の知識はそのまま1級の土台となるため、2級の習熟度が学習時間に影響します。

法令基準日の違い

2級(学科・実技)1級学科1級実技
法令基準日【基準日】
・毎年4月1日
【改訂日】
・毎年6月に変わる
毎回変わる・きんざい:試験日現在
・FP協会:毎年4月1日

3級・2級までは、毎年4月1日時点で施行されている法令が、その年6月から翌年5月末までの試験に反映されます。

つまり改訂は「年1回」です。

これに対し、1級学科は4月1日と10月1日を基準に毎回変わります。

1級学科の法令基準日の例

・2026年5月試験…2025年10月1日

・2026年9月試験…2026年4月1日

・2027年1月試験…2026年10月1日

市販テキストで勉強する場合、なるべく毎年改訂版がでる教材をおすすめします

毎年、新しく改訂版がでる教材の中からおすすめをまとめました。

【重要】受検資格の違い

2級(学科・実技)1級学科1級実技
受検資格いずれか一つ
・3級合格者
・AFP認定研修修了者
・実務経験2年以上
いずれか一つ
・実務経験5年以上
・2級合格+実務1年以上
いずれか一つ
・1級学科合格者
・CFP試験6課目合格者
・FP養成コース修了+実務1年以上
(以上は受検に期限あり)
・1級合格者
・CFP認定者

学科と実技で受検資格が変わる

3級と2級は、学科と実技の受検資格が同じであるため、同じ日に受けて両方に合格することも、実技を先に受けることもできました。

1級では、学科と実技で受検資格が異なります

学科に合格するなど一定の要件を満たさなければ、実技には進めません。

学科は実務経験が必要に

2級までは実務経験がなくても、3級合格やAFP認定研修を修了することで受検できました。

1級学科では、最低でも1年以上の実務経験が必要です。

実務経験とはFP分野に関するもので、具体的には以下のような経験が認められます。

FP検定の実務経験一覧表

実務経験がなくてもCFP試験を経由することで1級FP技能士になることができます!

該当する実務経験がなくとも、日本FP協会のCFP試験の全6課目に合格すれば1級学科が免除されます。

つまり、CFP試験を受けると、1級FP技能士とCFP認定者の両方を目指せるということです。

受検資格の有効期限について

FP1級実技の受検資格となる以下の3つには、実技を受検できる期限があります。

実技の受検資格有効期限
きんざいの1級学科試験合格者合格した年度の翌々年度末まで
CFP試験6課目合格者6課目合格年度の翌々年度末まで
FP養成コース修了+実務経験1年以上修了年度の翌々年度末まで
・1級技能検定合格者
・CFP認定者
期限なし

具体的に何回受けられるかなどはこちらの記事で検証しています。

実技のことは、学科の合格発表を受けてから考えれば十分間に合います

この記事の筆者は1月の学科に合格し、実技は9月のFP協会で合格しましたが、

試験形式などについて調べ始めたのは合格後です

十分すぎるほど間に合っています

【重要】出題形式・試験時間・合格基準・勉強時間の違い

2級(学科・実技)1級学科1級実技
出題形式・【学科】四肢択一(60問)
・【実技】択一式&記述式
・【基礎編】四肢択一(マークシート・50問)
・【応用編】事例5題(計15問)
・きんざい:設例課題2題
・FP協会:事例2題(計20問)
試験時間・【学科】120分
・【実技】90分
同日でも別日でも可
・【基礎編】150分
・【応用編】150分
午前午後で同日に受検
・きんざい:1題あたり12分ほど
・FP協会:120分
合格基準・満点の6割以上
・学科・実技それぞれで合否判定
基礎編・応用編を合わせて満点の6割以上(120点以上/200点)・満点の6割以上
勉強時間
(目安)
100時間~300時間200時間~600時間試験形式による

【重要】1級学科の合否判定が択一式・事例式の合計で6割に

1級学科は、基礎編と応用編に分かれ、基礎編が択一式応用編が事例形式の記述問題となります。

出題形式としては、2級までの学科と実技に近いですが、合否判定に大きな違いがあります。

項目3級・2級1級学科
出題形式【学科試験】
・60問の四答択一式
【実技試験】
・事例形式
【学科試験】
・基礎編:50問の四答択一式
・応用編:事例5題(各3問/計15問)(計算問題、単語や数字の記述、語群選択など)
【重要】
合格基準
学科・実技それぞれで6割以上の得点基礎編・応用編の合計で6割以上(200点満点中120点)

2級までは、学科と実技でそれぞれ合否判定が行われます。

そのため「学科の択一式で6割以上」、「実技の事例問題でも6割以上」でなければ合格できません。

しかし1級学科は、基礎と応用を合わせて合否判定が行われます。これにより、「基礎で5割、応用で7割」のように、得点の偏りがあっても合格することができます。

この合否基準を意識した学習が、学習時間の短縮につながります。

勉強時間について

1級の出題範囲をすべて網羅しようとすれば、500~600時間の学習時間が必要になる量だと考えます。

一方、1級の出題範囲は2級が土台であり、2級の知識がまだ残っている状態なら、追加で必要になる知識を過去問対策で一気に積み上げ、200時間未満の短期勝負にでることも可能です。

合格率の違い

2級(学科・実技)1級学科1級実技
合格率50%前後12%前後80~90%

1級学科の合格率は10%台であり、試験回によっては10%を下回ることもあります。

受検資格が「実務5年以上」や「実務1年以上の2級合格者」であるにもかかわらず低い理由の一つは、2級に比べて、基礎編の選択肢の一つ一つの難易度が非常に高いことにあります。

2級までは基本的な制度さえ知っていれば消去できる選択肢が1~2個ありますが、1級ではそれがなくなり1つ1つの正誤判定がとても難しくなります

その一方で、1級実技の合格率は、きんざいとFP協会のどちらも高めです。

学科を突破した方にとって、実技は大きな壁にはなりにくいため、学科を突破してから考えても十分間に合います。

まずは学科試験に集中して問題ありません。

電卓の持ち込みができる

2級(学科・実技)1級学科1級実技
電卓持込み不可
(きんざいとFP協会の両方)

3級・2級のCBT形式では、画面上の電卓を使用するため電卓を用意する必要はありません。

一方、筆記形式の1級では電卓を持ち込むことができます。

計算問題が出題されるため忘れずに持ち込むようにしましょう。

こちらの記事で、お金関連の実務や会計系の資格試験での利用も考えた電卓を紹介しています。

まとめ

FP1級は、2級の延長線上にある試験ではありますが、同じ勉強方法のままでは対応しにくい部分もあります。
特に学科試験では、基礎編と応用編の得点配分を意識した対策が重要です。
次の記事では、FP1級学科に独学で合格するための勉強法と、私が実際に行った対策を紹介しています。