税理士課程より2級を取るほうが得?税理士・会計士のAFP認定研修を検証

AFP認定研修の税理士課程は、税務科目が免除されるのになぜ高いのかを解説

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AFP認定研修の3つの課程を価格で並べると、税理士課程の価格が高めなことに違和感を覚えた先生方がいらっしゃるのではないでしょうか。

税務科目の講義が免除されているはずなのに、なぜか免除のない基本課程よりも高い

「それなら、2級を取って技能士課程でAFP認定を受けたほうが得では……」

「意味がわからないから、もうAFPはやめてきんざいの学科試験を受けようか」

この記事では、税理士課程の価格が高い理由や、2級を取得して税理士課程を受けるのとどちらが得になるかを考察します。

この記事を書いた人

1級FPライター

イシダ

プロフィール

FP全級を独学で一発合格(1級はきんざい学科→協会実技)/相続とタックスが得意/元・会計事務所/ Lancers金融ライタースペシャリスト認定

税理士課程に対する2つの疑問

まずは、AFP認定研修の3つの課程(基本・技能士・税理士)を並べて比較します。2026年7月時点の情報で作成しています。

項目基本課程技能士課程税理士課程
対象誰でもFP2級の合格者税理士・公認会計士の登録者
実施団体数14団体9団体6団体
価格帯2万円台〜21万円台1万円未満〜2万円台4万円台〜7万円台
研修期間1〜5か月1か月程度1〜3か月
研修内容FPの講義+提案書課題提案書課題のみFPの講義(税務2科目免除)+提案書課題
AFP認定要件研修修了+2級合格2級合格+研修修了研修修了のみ

気になる点は次の2点だと思います!

税理士課程の気になる点
  1. 講義の一部免除があるはずの税理士課程が、免除のない基本課程よりも高いこと(最低価格が4万円台であること)
  2. 「技能士課程」のほうが「税理士課程」より「安くてお得そう」に見えること

次項から1つずつ、解説します。

すでにFP2級をお持ちなら技能士課程を選んでください。時間も費用も少なくて済みます。

一見、税理士や会計士の先生方は、税理士課程しか受講できないように見えますが、技能士課程はFP2級合格者なら誰でも受講できます。(日本FP協会に確認済みです)

最安クラスの講座でも特に問題なく修了できます

実際に私が受講した技能士課程は、最安クラスで10日ほどで修了できました!

こちらの記事でその認定研修をレビューしています。

税理士課程が基本課程より高い理由

税理士課程は基本課程よりも受講する科目が少ないのに、受講料は高い傾向にあります。その理由は、講座を実施している団体の違いにあると考えられます。

講座をすべて確認したところ、税理士課程の実施団体は大手の資格スクールが多く見られました。各地に「◯◯校」みたいな展開をしているスクールです。

一方で、基本課程や技能士課程には、eラーニングを中心とするWeb学習専門の資格スクールも参入しており、大手の資格スクールと比べて受講料を安く抑えている傾向が見られました。

実際、大手資格スクールでも、基本課程の受講料は税理士課程より低く設定されています。ですが、基本課程にはそれ以上に安い講座があるため、講座ごとに比較すると基本課程のほうが安く見えるのです。

【大手資格スクールとeラーニング系の価格(2026年7月時点)】

実施団体基本課程税理士課程
A社66,000円41,800円
B社74,800円51,700円
C社98,000円78,000円
eラーニング系2万円台なし
最低価格2万円台〜4万円台〜

つまり「税理士課程が高い」というより、基本課程や技能士課程に安い講座がそろっているぶん、最安値どうしの比較で高く見えている。これが実態だと思います。

なるほど…

でもまあ、4万円台はやっぱり安くはないよね……

税理士課程よりも技能士課程が安くて早い理由

次は、税理士課程と技能士課程を比較します。

技能士課程には1万円未満の講座もあり、研修期間も1か月ほどの短期間です。

税務会計のプロを差し置いて、技能士課程がこれほど安くて早い理由は、技能士課程だけがFP2級合格者を対象としているためです。

AFP資格には独自の試験がありません

FP2級の合格が資格審査試験の代わりになります。

そのため、技能士課程はFP科目の講義を受ける必要がなく、基本的には提案書課題のみで修了となります。

そのため、なかには10日程度で修了証明を出せる講座もあります。

実際に筆者が受けた技能士課程がそうでした。

▷私が受けた認定研修(技能士課程)のレビュー記事はこちら

FP資格の特徴は、知識の深さではなく6分野(ライフプラン・リスクマネジメント・金融商品・タックス・不動産・相続)の組み合わせにあるといえます。税務の専門家であっても、税務以外の分野は、講義という形で担保しなければ認定が受けられない設計になっているのです。

税理士課程と技能士課程を選ぶポイント

結局、税理士課程と技能士課程は、会計士や税理士の先生にとってどっちが得なの?

費用は若干ですが、技能士課程のほうが安くなります

でも実際のところ、費用も研修にかかる期間も、大きな差は生じません

費用や期間の差は見た目ほど大きくない

まず、わかりやすい費用面から比較しましょう。

たしかにAFP認定研修の受講料だけを見れば、技能士課程は安いです。(技能士:1万円未満~、税理士:4万円台~

しかし、技能士課程は認定研修を受けるまでに、FP2級に合格するための受検料(11,700円)教材代を負担しています。

これらを足し合わせると、税理士課程との費用の差はおよそ1万円から1万5千円ほどまで縮まります。

1.5万円も安いのは魅力的だけど、最初に受けた印象ほど価格差は大きくならないね

続いて、研修期間についても同じ理由から、それほど差は大きくなりません。

AFP認定研修の受講期間だけを見れば、やはり技能士課程は早いです。(技能士課程は1か月ほど。早いものは10日程度。税理士課程は1か月~5か月

しかし、技能士課程の受講生は認定研修を受ける前に、FP2級の勉強と受検をしています。

試験はCBT形式で一年中受けることができ、合格発表は翌月なので、早く合格しやすい検定ではありますが、それでも合格まで早くても3か月前後はかかると思います。

この期間を考えると、研修期間の差もそこまで重要にはならないと考えられます。

費用や期間があまり問題にならないのなら、結局どうやって選べばいいの?

肩書きとして2級が必要か」と「2級レベルの知識をどうやって習得したいか」で選ぶとよいと思います!

ポイント①:肩書きとしてFP2級が必要か

税理士課程と技能士課程を比較するなら、まずは「FP2級の肩書が必要かどうか」です。

税理士課程ではFP2級の合格がなくてもAFP認定を受けられます。ただし、これは認定要件の1つを免除されるのみであり、FP2級の合格者は名乗れません

「ダブルライセンスとしてFPの活用を目指される先生方は、1級FP技能士やCFPを目指されていると思います。

しかしこの2つは、2級と違っていつでも試験を受けられるわけではありません

たとえば1級FP技能士を「AFP認定→CFP全6課目合格→1級実技」で取得するとします。CFPは6月と11月、1級実技検定はきんざいなら5月・9月・1月、日本FP協会なら9月(どちらか1つ合格すればよい)で開催されます。

仮に6月で全6課目に合格→9月にきんざい実技に合格できたとしても、CFPの勉強時間を考えると、1級FP技能士になるまでは早くても半年以上はかかるでしょう。まとまった勉強時間がとれない場合は1年以上かかることも十分考えられます。

技能士課程を選んだ場合、まずFP2級に合格しなければなりません。それにより、1級FP技能士やCFPの肩書を入手するまで、「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」や「AFP」を名乗ることができます。

FP(ファイナンシャルプランナー)の名刺表記は?|技能士・AFP・CFPの正しい書き方とNG例

ポイント②:FP2級の知識を習得する方法

税理士課程と技能士課程を比較するなら、次は「2級レベルの知識をどうやって習得したいか」を考えます。

2級レベルのFP分野の知識を、2級検定に向けた自学で身につけるか、講座で身につけるかという、学びのスタイルの違いです。

自分でテキストを読んで勉強を進めたい方もいらっしゃるでしょうし、講義動画で全体を流してから学びたい方もいらっしゃるでしょう。

後者のスタイルが合っている方なら、税理士課程も選択肢になります。税理士課程で大手の資格スクールなどによるFP科目の講義を受ける方法です。大手資格スクールの税理士課程を選べば、講義や教材のクオリティも期待できるところです。

税理士課程が向いている人・技能士課程が向いている人

結局は、税務以外の分野をどうやって習得したいかだと思います。

どちらで習得しても、その後のCFP試験や1級FP技能士の土台になることに変わりはありません。

この「学習スタイルの違い」の視点で選べば、後悔はないと思います。

一点、誤解しないようにしておきたいのが、税理士課程の講義はあくまで「2級レベル」となります。この講義がCFPや1級FP技能士まで網羅しているものではないことに注意してください。

ここまでを踏まえると、それぞれ向いている人は次のように整理できます。

税理士課程が向いている人

・講義でひととおり基礎を固めたい方

・2級の受検そのものは避けたい方

2級→技能士課程が向いている人

・費用を少しでも抑えたい方(税理士課程より、1万円~1.5万円ほど安くなる見込みあり)

・自分のペースで教材を読み進めたい方

・せっかくなら2級で腕試ししたい方

まとめ|税理士課程と技能士課程は学び方で選ぶ

AFP認定研修の税理士課程の価格が高く見えるのは、基本課程や技能士課程に安い講座がそろっているためでした。

しかし、税理士課程なら2級に合格せずAFP認定を受けられるため、技能士課程との実際の差はそこまで大きくありません。

税理士課程と技能士課程を比べるなら、「肩書きとして2級が必要か」と「2級レベルの知識をどうやって習得したいか」で選ぶと後悔が少ないと思います。