FP3級の勉強時間は30〜100時間?どのくらいかかるかを見積もるコツを解説

FP3級の勉強時間を解説

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「FP3級の勉強時間は、30〜100時間

こうした情報に行き当たり、いま手が止まっていないでしょうか。

30時間ならすぐ始められそうだけど、100時間の可能性もあると言われると「結構重いな…」となりますよね。

なぜこれほど勉強時間に幅があるのでしょうか。

理由は、はっきりしています。FP3級に必要な時間は、もともと人によって大きく変わるからです。

この記事では、FP3級の勉強時間について「自分はだいたいこれくらいかな」と見当をつけるためのコツをお伝えします。

この記事を書いた人

1級FPライター

イシダ

プロフィール

FP全級を独学で一発合格(1級はきんざい学科→協会実技)/相続とタックスが得意/元・会計事務所/ Lancers金融ライタースペシャリスト認定

FP3級の勉強時間を決める要素

勉強時間の幅を決めるのは、試験で問われる6分野のうち、「すでに知っていること」がどれだけあるかです。

すでに知っている分野が多ければ多いほど、短い時間で合格ラインに届きますが、ほとんどが初めての内容なら、その分だけ時間がかかります。

30〜100時間という幅は、主にこの差から生まれています。

FP3級の試験範囲の一覧

FP3級は日本FP協会ときんざい(金融財政事情研究会)の2団体が実施しており、両団体の公式サイトで試験要綱が公開されています。

ここでは、FP3級で出題される6分野と主な論点を一覧にします。

ライフプランニングと資金計画

・ファイナンシャル・プランニングと関連法規

・健康保険や公的年金、雇用保険、労災といった社会保険のしくみ

・住宅ローンや教育資金、老後資金

など

リスク管理

・生命保険や損害保険、医療保険やがん保険といった保険商品のしくみ

・保険にかかる税金

など

金融資産運用

・マーケットや経済指標(GDPや景気動向指数など)

・預貯金、債券、株式、投資信託などの金融商品の特徴

・投資リスクやアドバイス

・金融商品の税制

など

タックスプランニング

・所得税(各種所得の計算、損益通算、所得控除など)

・その他の税(個人住民税、個人事業税など)

など

不動産

・不動産登記簿、不動産価格

・不動産取引(宅地建物取引業など)

・不動産に関する法令(都市計画法、建築基準法、農地法など)

・不動産に関する税金

・不動産の有効活用の知識

など

相続・事業承継

・贈与と税金

・相続と税金

・財産評価

・相続・事業承継対策

など

2つの分野で学習経験があれば30時間が目安に

6分野のうちおおむね2分野以上について、勉強しなくても内容に覚えがあるなら、30時間くらいで合格ラインに届くことが多いといえます。

反対に、6分野のどれもほとんど初めて、という方は、ゼロから覚えていくぶん、80~100時間をみておくと安心です。

私はタックスプランニングと相続の2分野で学習経験があったため、3級には30時間ほどで合格できました。他の3級の合格体験記を見ても、30時間での合格者は私と同様、もともと半分以上解ける力があったとか、おおむね2分野に学習経験があった方だったため、「得点源が2分野ある→30時間で合格可」は目安にしてよいと判断しました。

ん?30時間ってことは、残り4分野を30時間でマスターしちゃったってこと?

ううん、全然間に合わなくてボロボロよ!

それについては、記事の次の項目で解説するね

住宅ローンやNISAのような身近な問題もある

先ほどの6分野をみて「ほとんど初めて見る……」と感じた方もいらっしゃると思います。

ですが「聞いたこともない知識ばかり」とはなりにくいはずです。

たとえば、こんな問題も出題されます。

【ライフプランニングの問題】

住宅ローンの元利均等返済方式と元金均等返済方式を比較した場合、借入額、金利、借入期間等の条件が同一であれば、通常、総返済額は( )。

  • 1:元利均等返済方式のほうが多くなる
  • 2:元金均等返済方式のほうが多くなる
  • 3:同じである

【金融資産運用の問題】

NISAの「成長投資枠」と「つみたて投資枠」を利用して株式投資信託等を保有することができる上限額(非課税保有限度額)は( ① )であり、このうち「成長投資枠」での保有は( ② )が上限となる。

  • 1:① 1,500万円 ② 1,000万円
  • 2:① 1,800万円 ② 1,200万円
  • 3:① 2,000万円 ② 1,500万円

出典:日本FP協会3級ファイナンシャル・プランニング技能検定学科試験2024年5月・2025年5月

正解できたかどうかは、ここでは大事ではありません。

見ていただきたいのは、「住宅ローン」「NISA」のような、かなり身近なテーマからも出題されていることです。

勉強や仕事で関わった経験がなくても、こうした身近なテーマなら、まったく知らない言葉を一から覚えるよりモチベーションを維持しやすいと思います。

これらはあと少し知識を足せば「解ける問題」に変わりやすく、人によっては、すぐに実生活に役立つこともあるでしょう。

FP3級には、こうした身近な問題が結構あります。

ちなみに住宅ローンは選択肢1、NISAは選択肢2が正解です。

住宅ローンは、毎月の返済額が一定になる元利均等のほうが、初期に利息の割合が大きく元金が減りにくいぶん、総返済額が多くなります。NISAは、非課税で保有できる上限が全体で1,800万円、そのうち成長投資枠は1,200万円まで、と決められています。

どちらも、一度わかってしまえば、難しい理屈ではありません。

FP3級の勉強時間は目的しだいで半分・2倍になることも

必要となる勉強時間を決める要素が、もう一つあります。

FP3級を「何のために受けるのか」です。

目的が違えば、必要な時間は半分にも2倍にもなります。

私は2つの分野で最初から得点できる状態でした。「それなら残りの4分野は教科書のすべてを網羅して試験に臨んだのか」と問われれば、答えはNOです。勉強を始めて30時間くらい積み重なったころ、「合格するだけならもういける」と確信して受検しました。

合格に満点はいらない

FP検定に、高得点は必要ありません。

試験には、学科試験と実技試験があり、合格ラインは、学科・実技それぞれで満点の6割です。

どちらの試験もCBT形式の択一式となります。

さらに言えば、3級は「2択」か「3択」の問題ばかりです

受検する理由が「まずは合格して、資格という形がほしい」のであれば、よく出るところを押さえて、深入りせず合格ラインを狙って学ぶことがおすすめです。勉強時間を大幅に抑えられます。

さきほどお伝えした私の30時間も、この「合格を狙う」前提での時間です

複雑に感じる論点をとばしても合格できる可能性があるということです。

このように「満点を目指さない」と決めるだけで、勉強の量はずいぶん軽くなります。

合格の先まで考えるなら倍を見込む(大手スクールは180時間)

一方で、合格のその先を見ている方は、通常の倍の勉強時間が必要になると考えてください。

たとえば、「学んだ知識を仕事や家計管理で使いたい」「いずれFP2級にも進みたい」

こうした理由で受検する場合は、一つひとつの分野を丁寧に学習することが大切です。

大手資格スクールのなかには、FP3級に180時間ほどを見積もっているところもありますが、これは「3級に合格できればいい人」ではなく、「2級や1級につなげたい人」「家計や仕事に本当に役立てたい人」などの勉強時間だと推察できます。

私の実体験ですが、FPは級があがるほど問われる内容が細かくなるため、3級で学習をさぼった分野は、最後まで苦手のままになりがちです。先を目指すなら、初めて勉強する分野ほど3級でしっかりやっておくのがおすすめです。

FP検定・FP資格にしかない価値は、お金の制度を横断的に学べることです。

一つの専門分野にかたよらない、総合窓口のようなアドバイザーになるための資格・検定だと私は考えています。

そのため、得意分野で無双して点を稼ぐより、初学の分野でもまんべんなく得点する、少し苦しい勉強の機会にしたほうが、この資格の価値に合った取り組み方なのかなと思います。

私自身、得意科目を軸にする戦法で1級まで押し切ったタイプです。もちろん、苦手な分野も勉強はしましたが、得意と苦手の関係が今もそのままなのは、3級で手を抜いたからではないかと思っています。

もちろん、合格だけを最短時間目指すのも「あり」です。

よりよい地位についたり、転職を有利に進めたり、お仕事の幅が広がったりと、資格にはさまざまな効能が求められると思います。そうしたメリットのための手段として最短合格を目指すのは、むしろ合理的です。

気をつけたいのは、どっちつかずなまま勉強を始めることだと思います。

「30時間で合格するつもりが、興味のある分野で深入りしてしまい、検定日に間に合わなくなる

「本当はしっかり理解したかったのに、丸暗記で済ませて合格してしまい、物足りなさが残った

受検する目的があいまいだと、どちらも起こりやすいことです。

「自分はどちらを目指すのか」を、勉強を始める前に決めておくと後悔のない学習ができるでしょう。

ここまでをまとめると…

「すでに知っている分野がどれだけあるか」「何を目的にするか」の組み合わせで、必要な時間が決まってくる

FP3級の勉強はテキストを主役にする

必要な時間の見当がついたら、次は「どう勉強するか」です。

教材にはテキスト、動画、音声と選択肢がありますが、おすすめは、テキストを軸とした複合学習です。

一冊をやりこむことを軸にして、すきま時間の復習に動画や音声を使う方法が効率的で失敗が少ないと感じます。

科学的な裏づけがあるわけではなく、FPを全級受けてきた経験からの実感です。まずは、なぜ主役が動画ではなく「テキスト」なのか、理由をお話しします。

初学分野は聴くだけでは覚えられない

FPは学習分野が6つもあるため、多くの人にとって、初めて知る分野が出てくるはずです。

そのためFPの勉強は、聞いたこともない制度名を覚え、その中身を理解していくことの繰り返しとなります。

この状態から、問題に正答できるレベルになるには、私の場合「動画を観る」「音声を聴く」といった「音を受け取る受動学習」だけでは困難でした。

私もいくつかの資格勉強で動画や音声だけでの学習を試しましたが、うまくいくものといかないものの差が激しかったです。

うまくいくときといかないときの差を考えてみたのですが、「初めて聞く言葉」が多い学習ほど、動画や音声だけでは記憶に残らないと感じました。

おそらく「初めて知る制度が次々にでてくる勉強」と「動画や音声による受動学習スタイル」の相性が、私にとってはよくなかったのだと思います。

最初は動画や音声で受け取った情報を、テトリスみたいに整頓して頭のなかで積み上げていけますが、ついていけなくなると、だんだんブロックの置き場がわからなくなって、頭がいっぱいになっていく感じになります。10分くらいでそうなるときもあったため、私の脳の処理能力の問題だと思います。

動画や音声など「声を受け取るだけの受動学習」は、情報が流れ続けます。さっき聞いたことを記憶に抱えたまま、いま流れてくる話と結びつけることの連続です。

これは、脳にとってかなり負荷の高い作業です。「しっかり聴いたはずなのに、なぜか問題が解けない」という私のような経験をしたことのある方は、内容が途中から整理できなくなったまま、漫然と聴いていた可能性があります。

読めばわかるものが多い

FP試験の特徴は、範囲は広いものの一つひとつの論点はそこまで難しくないため「読めばわかる」が多いことです。

この場合、インプットは文字(テキスト)で行うほうが手軽に学習を進められます。

テキストを軸にする勉強法は「市販のテキスト」を使って独学してもよいですし、しっかりめに学びたい方は資格スクールの「専用テキスト+講義」に申し込んで勉強する方法も検討するとよいでしょう。自分に合うほうでOKです。

市販テキストを選ぶコツですが、FP3級のテキストは、さまざまな出版社が作っていますので、よく売れているものを選べばはずれはないと思います。独学で市販テキストで勉強したい場合は、私が使ったテキストをこちらで紹介しています。

▷FP3級の独学合格におすすめのテキストと問題集を1級FP技能士が紹介

動画・音声解説は覚えた知識の定着に使う

動画や音声は、机に向かえる時間が少ないビジネスパーソンの味方です。

テキストが最初のインプットなら、動画や音声はその後の定着に向いています。

一度覚えたことを復習したり、いまいちテキストで定着しなかった分野を、別角度から頭に入れ直したいときに動画や音声が力を発揮します。

寝る前に学んだことを翌日の通勤時間に耳で復習できるようになれば、学習可能時間を大きく増やせます。

市販テキスト派に朗報です!なんとあの「みんなが欲しかったFPの教科書3級」の音声読み上げサービスが登場しています。プロの読み上げなので、癖のないクリアな音でしっかり聞きとれますよ!

▷FP3級テキストの音声サービス、実際に聴いてみたのでレビューします!

テキストはあるのに勉強が進まない時の対処法

ここまで読んで、「テキストならもう持っている。でも、それが進まないから困っている」という方もいるかもしれません。

買ったまま、開くと眠くなる。

机に向かう時間がそもそも取れない。

気づけば、最初の数ページで止まっている。

そのような方は、以下を試してみてください。

興味のある分野からやってみる

テキストの最初のページから覚えようとせず、興味のある分野や少し知っている分野からやってみましょう。

FPの6分野にはそこまでの関連性はありません。好きな順番でやってOKです。

「テキスト→問題集」を短時間で繰り返す

最初から100%の理解を目指すのはNGです。

まずはさっとテキストを読んで「こういう制度があるのか」と概要だけ把握したら、問題を見てみましょう。正解しようとしなくてOKです。

テキストを読んだだけではフラットにしか捉えられない制度でも、問題形式で問われると角度やメリハリがつくので、理解度がぐっと上がります。なので「新しい知識のインプット→問題と答えを見る」をいったりきたりすることがおすすめです。

解説ブログやYouTubeで気になる分野だけ補強する

どうしてもテキストで納得できなかったり、理解しづらいところは、別角度から説明しているものに触れるのもおすすめです。

気分転換にもなりますし、覚え方のコツなどテキストでは得られない情報がゲットできることもあります。

FPのテキストは、基本的に合格のための最小限の情報しか書いてありません。

そのため「理解できない」を放置できないタイプの研究肌の人は、テキストにとらわれすぎないよう注意が必要です!

もしテキストでわからないところがあってモヤモヤするときは、解説ブログやYouTubeなどで情報収集してみてください。同じ悩みをもった先人たちの研究成果を得られるはずです。

ノートを作ってみる(手を動かしてみる)

視覚だけでなく、聴覚や触覚などいろいろな感覚を使ったほうが暗記に効果的と言われています。

「今日はどうしても気分がのらない」ときは、勉強したことの整理をかねて、学生のころのようにお気に入りのペンとノートを広げて手を動かしてみましょう

手を動かして書くと、自分のペースでいま覚えていることを再構築できて、頭がすっきりします!

理解できていないところの洗い出しにもなる上、試験中に忘れても手が動けば思い出せるので「書く」はやっぱりおすすめです!

「みんなが欲しかった」なら耳で聴いてみる

もし手元にあるテキストが「みんなが欲しかったシリーズ」なら、先ほども紹介したオーディオブックの読み上げサービスとの併用がおすすめです。

テキストと音声が同じ内容なので、テキストで勉強したことを外出先で聴きながら復習するサイクルが整いやすいです。

勉強につかえる時間がぐっと増えます。

無料期間のあるプランに登録して視聴してみたら、聞き取りやすいし図解も見放題でした

こちらの記事でレビューしています

まとめ:FP3級の勉強時間が見えたらさっそく勉強を始めよう

FP3級の勉強時間に「30〜100時間」と大きな幅があるのは、人によって出発点と目的地が違うからでした。

仕事や日常生活ですでに触れてきた分野がいくつあるか。そして、合格だけを目指すのか、その先まで見据えるのか。この組み合わせで、必要な時間が変わります。

あとは、軸になるテキストを一冊決めれば、いよいよ勉強開始です。

私が使ったおすすめのテキストをこちらで紹介しています

市販テキストの独学派の方はぜひ!