40代・未経験からFP資格を活かす転職|これまでの経験と待遇をどう考える?

40代・未経験からFP資格を活かす転職|これまでの経験と待遇をどう考える?

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40代から未経験の業界へ転職し、FP(ファイナンシャルプランナー)の知識を仕事に活かすことはできるのでしょうか。

FP資格を取得したことをきっかけに、金融や保険、不動産など、これまでとは違う仕事に興味を持つ人もいると思います。

ただ、新しい業界へ挑戦したくても、これまでの経験が通用するのか、不安に思う人もいるはずです。

結論をいうと、FP関連の業界は未経験でも、これまでの職務経験を評価してもらえる求人はあります。

営業経験を活かして相続相談や保険の仕事へ移る道もあれば、経理・総務の経験を評価してもらい、不動産会社や税理士法人などで働く道もあります。

とはいえ40代であれば、今の会社で積み上げてきた役職や待遇があります。管理職として働いている人なら、今の立場をどう考えるかも気になるところでしょう。

この記事では、当サイト独自の求人調査から、40代がこれまでの経験を活かして転職を検討できる仕事と応募条件の傾向を分析し、解説します。

この記事では、当サイトが関東圏のハローワークで独自に調べたFP関連求人の調査結果を使用しています。詳細な調査条件はFP資格を活かせる仕事調査にまとめています。あくまで傾向分析のための独自調査であり、個々の求人情報を紹介するものではありません。

この記事を書いた人

1級FPライター

イシダ

プロフィール

FP全級を独学で一発合格(1級はきんざい学科→協会実技)/相続とタックスが得意/元・会計事務所/ Lancers金融ライタースペシャリスト認定

40代・未経験からFPの知識を活かせる求人はある?

40代からFPの知識を活かせる業界へ転職するなら、「経験不問」よりも、これまでの職務経験を評価する求人が有力な候補になります。

なぜ40代では「経験不問」をおすすめできないか

40代が経験不問の求人を探す際には、年齢の上限の壁にあたることがあります。

えっ求人に年齢制限を設けてはいけないんじゃないの?

募集・採用で年齢制限を設けることは、2007年10月から原則として禁止されています。

でも例外もあるんだ!

その例外の一つとして、若年者を長期的に育成する「長期勤続によるキャリア形成」として職業経験を問わず募集する場合には、一定の条件のもとで年齢制限が認められています。

出典:厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」

当サイトの2026年11月の求人調査では、FP資格を評価する経験不問の募集は25件あり、このうち18件に「長期勤続によるキャリア形成」を理由とする年齢の上限が設けられていました。

年齢制限のある求人では、40歳で応募できるものが一部あるのみで、41歳以上では応募できる事業者がありませんでした。

もちろん、経験不問で年齢制限を設けていない求人もあるのですが、40代の職探しや転職において未経験が応募できる企業だけに絞ると、当サイトの調査結果では選択肢がかなり狭くなりました。

「業種不問の経験・FP以外の経験」が評価される求人を選ぶ

一方、同じ2026年11月の調査では、何らかの職務経験を「必須」または「歓迎」とする求人もありました。

経験者を求める場合、「長期勤続によるキャリア形成」の例外は使えません。

実際に当サイトで確認した、経験を「必須」または「歓迎」とする求人にも、こうした年齢の上限は1件もありませんでした。

当サイトが2026年10月・11月に調査した、FP資格を評価するフルタイムの求人115件のうち、84件(約7割)では何らかの職務経験が必須または歓迎とされていました。

内訳は、「経験があれば尚可(歓迎)」が64件、「経験必須」が20件(うち、業界を問わない求人は6件)です。

【FP資格を評価する求人とは】
当サイト独自の基準です。FP資格を採用時に「必須」または「優遇」とする求人、そして採用条件には含まれないものの「資格手当」で評価する求人を合わせたものです。

40代でFP資格を活かせる業界に未経験で転職するなら、これまでの職務経験を活かせる求人を選ぶことが、もっとも強みを発揮できる方法だと考えます。

40代からFP資格と職歴を活かせる求人にはどんな仕事がある?

ここからは職業経験ごとに、その経験によって応募できる、FP資格が評価される求人を解説します。

次の表から、ご自身の経験をタップすると、該当する説明項目にジャンプできます!

ご自身の職業経験からお選びください
▷営業の経験
▷経理・総務の経験
▷相続・税務・会計の経験
▷不動産・建築の経験

このままスクロールして順番にご覧いただいても構いません。

※ここからは、当サイトが2026年10月・11月に行った求人調査の分析結果です。現在の募集状況を示すものではありませんが、FP資格が評価される職種の参考としてください。

営業の経験を活かせる求人

確認できた仕事求められていた経験仕事内容FP資格
相続コンサルタント営業職の経験(必須)相続相談の窓口で、相続のヒアリング、シミュレーション、対策の提案優遇
(等級の指定なし)
相続手続きの相談・営業営業経験とFP程度の相続知識(どちらも必須)相続人との面談、相続財産の事前調査、必要な手続きの特定優遇
(等級の指定なし)
医療・介護施設向けの法人営業営業経験(必須)医療・介護施設の建設を提案する、土地活用の法人営業・優遇(等級の指定なし)
・資格手当(3級~)
土地活用営業営業経験(必須)―・優遇(等級の指定なし)
・資格手当(3級~)
来店型保険ショップの営業営業・金融業の経験(歓迎)来店型の店舗での保険の営業・優遇(1級〜3級)
・資格手当(3級~)
生命保険営業法人営業の経験(歓迎)保険代理店として、複数の生命保険会社の商品を提案優遇(2級)
土地活用・アパート建築のコンサル営業企画提案営業の経験(歓迎)土地を持つオーナーに、集合住宅の建築などの土地活用を提案優遇
(等級の指定なし)

いずれの求人も、営業経験を積んだ業界までは指定していません。

FP資格とは無関係な業界で営業経験を積んでいても、その職歴が評価される可能性があるのです。

経理・総務の経験を活かせる求人

確認できた仕事求められていた経験仕事内容FP資格
不動産会社の経理事務経理事務の経験3年以上(歓迎)経理・総務・庶務資格手当
(等級の記載なし)
経営企画マネージャー候補上場企業などでの経理実務(必須)―優遇
(等級の指定なし)
税理士法人の税務会計スタッフ経理・総務の経験(歓迎。日商簿記3級は必須)顧問先に関する各種データの作成など優遇(3級)

経理・総務は、どの業界でも必要とされる仕事です。

経理の経験者を、管理職の候補として迎える求人も見られました。

相続・税務・会計の経験を活かせる求人

確認できた仕事求められていた経験仕事内容FP資格
相続・生前対策コンサルタント士業事務所や金融機関での相続手続き業務などの経験(歓迎)相続・生前対策の相談、裁判所への申立書類の作成、ライフプランのシミュレーション優遇
(等級の指定なし)
相続・資産税コンサルタント会計事務所・税理士法人での経験(歓迎)相続税の申告と相続対策のコンサルティング。顧客との面談が多い優遇(3級)
税務会計スタッフ税務会計の経験(必須。日商簿記3級も必須)顧問先に関する各種データの作成など優遇(3級)
税理士補助会計事務所での経験2年以上(必須。日商簿記2級も必須)―優遇
(等級の指定なし)

士業事務所や金融機関で相続手続きに携わってきた人は、相続の業界で経験を活かせます。

元・会計事務所
元・会計事務所

私の所感ですが、会計事務所の求人で一番評価される資格といえばどうしても簿記になるのですが、FPも少しずつ評価されていると思っています。

FPが求められる背景には、顧問先との継続的なおつき合いのなかで、税金だけでなく資産形成のアドバイスや保険の見直しで力になれる人材が必要だからじゃないかなと思っています。

不動産・建築の経験を活かせる求人

確認できた仕事求められていた経験仕事内容FP資格
不動産売買仲介不動産業界での経験(必須)不動産の売買の仲介。家計(ファイナンシャルプランニング)の提案も行う優遇(1級・2級)
分譲住宅営業不動産営業・住宅販売の経験(必須)自社の分譲住宅の販売。問い合わせのあった客への物件案内から契約まで優遇
(等級の指定なし)
リフォーム営業住宅・リフォーム業界での営業やプランナーの経験(必須)問い合わせのあった客へのリフォームの営業優遇
(等級の指定なし)
賃貸営業不動産の売買・賃貸・管理のいずれかの実務(必須)―・優遇(2級)
・資格手当(2級)
売買営業不動産売買営業の経験(必須)―・優遇(2級)
・資格手当(2級)
建設営業のリーダー候補建設営業または受注型営業の経験(必須。2級建築施工管理技士も必須)建設の提案営業。リーダー候補として、プレイングマネージャーの立場で担う優遇
(等級の指定なし)
建築施工管理住宅の建築施工管理・住宅業界での経験(歓迎)住宅の建築工事の、着工から引き渡しまでの工程・品質・安全の管理資格手当(1級)
注文住宅の提案営業注文住宅の営業・設計・施工管理などの経験(歓迎)新築の注文住宅の提案営業。飛び込みはなく、問い合わせへの対応のほか、過去に問い合わせのあった客への電話や業者の開拓優遇
(等級の指定なし)
注文住宅営業住宅営業の経験(歓迎)客のライフスタイルや将来設計を踏まえた住まいの提案と、資金計画の作成優遇(2級)

不動産・建築の求人の多くは、同じ業界での経験を必須としています。

ただし、注文住宅の営業や建築施工管理のように、業界での経験を「歓迎」としている求人もあり、業界の経験がなくても応募できる場合があります。

不動産・建築の求人では、宅建士がFP資格と一緒に評価されていることもあります。

FP×宅建の年収やキャリアは、宅建とFPを組み合わせたときの年収を解説した記事でまとめています。

40代の転職で年収は増える?減る?

40代は、転職によって賃金が減少した人よりも、増加した人のほうが多い年代です。

厚生労働省の「令和7年雇用動向調査結果の概況」では、2025年に転職した人の賃金が、前職と比べてどのように変化したかを公表しています。

40代の結果は次のとおりです。

年齢増加変わらない減少
40~44歳44.9%24.6%27.4%
45~49歳41.1%28.0%30.1%

※合計100%にならないのは、賃金の変動が不明な人もいるためです。

出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」表6

40代前半・後半ともに、賃金が増加した人の割合が減少した人を上回っています。

なお、同じ調査の50~54歳では、増加29.4%、減少42.0%と逆転しています。

変化の大きさも見てみると、転職した40代のうち、賃金が1割以上増えた人は40~44歳で29.9%、45~49歳で30.0%いました。

反対に、賃金が1割以上減った人も、40~44歳で17.6%、45~49歳で16.1%いました。

※FP関連の仕事に限らず、パートタイム労働者へ働き方を変えた人も含む統計です。

40代の転職は、収入が増える人のほうが多い一方で、大きく減る人もいるってことだね

FPの知識を活かした転職を考えている人がいちばん気になるのは、自分が転職したら、その先どうなるのかだと思います。

迷いがあるときは、同じ年代で転職した人の体験談も参考にするとよいでしょう。

会員制の口コミサイト「ワンキャリア転職」なら、匿名の転職体験談を無料で読むことができます。

画面上のメニュー(スマホなら右上の三本線)の「転職体験談」から、年齢を「40代」に絞ると、同じような状況の人の体験談が見つかるはずです。体験談は無料の会員登録で読めます(登録は3分ほど)。

転職前と転職後の企業名もオープンになっていて、投稿者の業種も選択できます。

ここまでは登録なしでも読めるので、まずはのぞいてみて、気になる人がいたら登録して体験談を読むのがいいと思います。

40代の転職で、今の役職や待遇はどうなる?

今の会社で役職や待遇を得ている40代にとって、転職でそれがどうなるかは気になるところです。

40代は、社内で役職に進む人とそうでない人が分かれはじめる時期でもあります。

40代で見えてくる役職と賃金の差

厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」では、役職別の賃金が次のようになっています。

役職賃金(月額)平均年齢
部長級63万5,800円53.1歳
課長級52万9,200円49.5歳
係長級39万9,200円45.4歳
非役職者31万500円41.8歳

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」第8表

(※)男女(40代以外も含む)、雇用期間の定めのない一般労働者の2025年6月分の所定内給与額の平均です。時間外勤務手当などの超過労働給与額や賞与は含まれていません。

係長級・課長級の平均年齢は、いずれも40代です。

課長級と非役職者では、月額賃金の平均に20万円以上の差があります。

この差には、役職以外の要素(年齢や勤続年数などの違い)も考えられますが、それでも、役職者と非役職者の差を考えるときの参考になります。

役職つきの転職は可能だが、数は少ない

転職先で役職者の待遇で迎えられる求人もありますが、当サイトで調査した限りでは、数は多くありませんでした。

確認できたのは次の求人で、このうち、異業種からの転職が可能と確かめられたのは、経営企画のマネージャー候補のみでした。

仕事採用する役職応募の条件
住宅メーカーの住宅営業・リフォーム営業(1社の求人)主任・係長・課長営業経験5年以上と管理職の経験。資格は宅建士・FP2級・二級建築士のいずれか
経営企画マネージャー候補上場企業などでの経理実務の経験
リフォーム営業幹部候補住宅・リフォーム業界での営業やプランナーの経験
建設営業リーダー候補建設営業または受注型営業の経験と、2級建築施工管理技士

※2026年10月・11月の調査の分析結果です。住宅メーカーの求人は、FP2級などの資格を「いずれか必須」とする募集で、前半の115件とは別の集計です。

役職にこだわらないなら、選べる求人は広がります。

役職のない立場で入っても、働きに応じて年収が上がっていくのはふつうのことです。

FP資格を評価する求人の中にも、入社後の年収例まで書き添えられた求人がありました。

仕事求める経験・FP資格年収例年収例に示された要素
生命保険営業法人営業・保険販売の経験(歓迎)。FP2級優遇500万円台〜600万円台勤続年数と役職
不動産営業(土地仕入れ)経験不問。FP2級・3級は資格手当の対象500万円台〜1,000万円台(歩合給を含む)勤続年数・歩合給
生命保険のルート営業金融機関での営業経験5年以上(必須)。FP2級必須400万円台〜勤続年数

※2026年10月・11月の調査で確認した年収例です。求人票に示されたモデル年収や実績の例になります。転職後に同じ収入になることを示すものではありません。

40代の転職者が賃金よりも大切にしていたこと

厚生労働省の「令和7(2025)年転職者実態調査」では、40~44歳が今の勤め先を選んだ理由で最も多かったのは「仕事の内容・職種に満足がいくから」(48.3%)、45~49歳では「自分の技能・能力が活かせるから」(43.6%)でした。

どちらも、「賃金が高いから」を挙げた人(21.4%、20.5%)の2倍前後です。

※3つまでの複数回答。対象は2024年10月から2025年9月までに転職した一般労働者で、パートタイム労働者は含みません。
出典:厚生労働省「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」表13-1

賃金よりも、仕事の中身を重視して勤め先を選んだ40代が多いんだね
正直、意外だ!

でも収入はやっぱり大事だよね

転職後の手取りでこれからの支出を賄えるかを、自分自身のキャッシュフロー表を作成してみて確かめておくと安心です!

FP有資格者ならではの対策だね!

40代で転職した人の体験談を見てみる

ここまで、40代がFP資格とこれまでの経験を活かしやすい求人傾向と、転職後の役職や待遇の見通しを見てきました。

しかし、求人票や統計だけでは、実際に40代で転職した人が、転職してよかったと思っているのかまではわかりません。

なぜ転職しようと思ったのか、前職でのどのような経験が評価されたのかなど、ご自身と同じような人が経験した話を参考にしたい方もいらっしゃると思います。

迷いがあるときは、会員制の転職口コミサイトがおすすめです。

ワンキャリア転職では、画面上のメニュー(スマホなら右上の三本線)の「転職体験談」から、業界を「金融」や「不動産」に、年齢を「40代」に絞ると、FPの知識が活きる業界へ転職した同じ年代の人の体験談が見つかるはずです。

体験談は無料の会員登録で読めます(登録は3分ほど)。

転職前と転職後の企業名もオープンになっていて、投稿者の業種も選択できます。

ここまでは登録なしでも読めるので、まずはのぞいてみて、気になる人がいたら登録して体験談を読むのがいいと思います。

この記事では40代をテーマに解説しましたが、FP資格で未経験から入りやすい仕事をもっと広く知りたい方は、未経験からFPの知識を活かせる仕事の入口をまとめた記事も参考にしてください。