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FP1級を取得すれば、年収も大きく上がるのでしょうか。
私自身、フリーランスのマネーライターとして活動していたときに1級を取得し、仕事の応募で評価されやすくなったと感じています。一方、企業の求人では、1級だからといって高額な資格手当が付くわけではありません。
当サイトでは、関東1都6県のハローワークで一般公開されている、正社員・フルタイムのFP関連求人を独自に調査しています。

調査結果はFP(ファイナンシャルプランナー)資格を活かせる仕事調査にまとめているよ。ただし、ハローワークの公開求人をもとにした傾向分析で、個別の求人情報を紹介する記事ではないんだ

この記事では、公開求人や公的統計からわかる年収だけでなく、実際に1級を取った筆者の経験から、1級を目指したほうがいい人・そうでない人の判断基準も解説していくよ!

1級FPライター
イシダ
FP全級を独学で一発合格(1級はきんざい学科→協会実技)/相続とタックスが得意/元・会計事務所/ Lancers金融ライタースペシャリスト認定
FP1級の年収はいくら?公的統計で分かる範囲
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」には、ファイナンシャル・プランナーに対応する年収として1,134.6万円が掲載されています。
出典:厚生労働省 job tag「ファイナンシャル・プランナー」
この数字は、令和7年賃金構造基本統計調査を加工したもので、職業分類「その他の経営・金融・保険の専門的職業」などに対応する統計値です。FPだけを集計したものではなく、FP1級取得者の平均年収を示す統計ではありません。
そのため、ここから「1級を取れば年収1,000万円を超える」と考えることはできません。資格を取ったときの収入への影響を見るには、求人にある資格手当や、実際にどんな仕事が評価されているかを確認する必要があります。
FPの仕事全体の年収や、業界による違いについては、こちらの記事で整理しています。
FP1級は年収アップにつながる?求人調査から見えた現実
FP1級の資格手当は必ずしも高額ではない
当サイトが関東1都6県のハローワーク公開求人を調べたところ、FP1級の資格手当として、次のような例がありました。
| 仕事 | FP1級の資格手当の例 |
|---|---|
| 保険営業 | 月5,000円 |
| 建築施工管理 | 月2,000~2万円 |
いずれも確認できた求人の例であり、FP1級全体の相場ではありません。FP2級の手当は月5,000~1万5,000円が中心で、今回の求人からは、1級と2級に大きな金額差があるとはいえませんでした。
会社によっては資格手当を得られますが、手当だけを目的に1級の勉強を始めるなら、期待する収入増に見合うかを慎重に考えたいところです。
2級の指定が多い一方、1級を優遇する求人もある
確認した各回の求人調査では、FP1級を名指しで「必須」とする求人は0件でした。一方、「優遇」とする求人は毎回2~3件あり、仕事は不動産売買仲介や保険営業です。
例えば、FP資格を必須・優遇とする求人が99件あった調査では、1級を名指しで優遇する求人は3件、約3%でした。対象件数は調査ごとに異なりますが、FP資格を評価する求人の中でも、1級を明示して優遇する求人は少数というのが実態です。
等級を指定した求人では2級が最も多く、級が高くなるほど求人が増えるという結果ではありません。企業への就職・転職を考えるなら、まず2級が評価される求人の多さに注目したいところです。
しかし、1級を優遇条件に挙げる企業が実際にあることも見落とせません。保険や不動産の仕事でも、企業によっては1級が評価され、2級より有利に働く可能性があります。
なお、不動産売買仲介には「1級・2級のどちらも優遇」とする求人もありました。その記載だけでは、採用時に1級を2級より高く評価するかまでは分かりません。1級を評価する求人があることと、1級なら必ず2級より年収が高くなることは、別の話です。
年収が高い求人で重視されていたのは業務経験
今回のハローワーク公開求人の中には、FP1級・2級を優遇する不動産売買仲介で、年収500万円以上の例がありました。仕事内容は物件の売買だけでなく、住宅ローンや家計まで踏み込んで提案するものです。
注目したいのは、この求人では不動産業界での経験が必須だったこと。1級という肩書きだけで、高い年収の仕事に就けるという話ではありません。
また、FPとしての実務経験自体を歓迎する不動産仲介の求人もありました。
独立系FP法人のシニアコンサルタントにも、金融業界での経験を歓迎する年収600万円台の求人がありました。この求人には、FP資格についての記載がありませんでした。
求人から読み取れるのは、資格の級だけでなく、相談・提案を任せられる経験が収入の高い仕事につながる可能性です。

年収の高い求人では、FP資格だけでなく実務経験も求められていたね。

でも、1級で詳しく勉強した知識は、実際の仕事でどれくらい使うのかな?
FP1級と2級の知識は、実際の仕事でどう違うのか
1級は6分野の知識を、2級より深く学ぶ
FP2級も1級も、保険・金融・不動産・税金・相続・ライフプランニングなど、同じ6分野を学びます。大きな違いは知識の深さです。
私は、6分野の知識を六角形にするとイメージしやすいと思っています。2級で身につける六角形の外側に、より大きな1級の六角形がある感覚です。1級では、各分野のさらに細かな条件や計算まで学びます。
実務で求められる知識には分野ごとの偏りがある
では、その大きな六角形が仕事でそのまま必要になるのでしょうか。
例えば保険会社の一般的な保険営業では、1級で学ぶ不動産所得の損益通算の細かな計算を仕事で使う場面は、まずないと思います。これは、不動産オーナーの所得税の申告などに関わる知識だからです。不動産会社なら、民間医療保険の保障範囲を細部まで理解していなくても、担当業務をこなせる場面は多いでしょう。
一方で、担当する業務の知識は実務を通じて深くなります。保険の専門家なら保険、不動産の専門家なら不動産について、1級の試験範囲を超えて身につけなければならない知識も出てきます。
つまり、試験で学ぶ知識は大きな六角形でも、実務の知識は一部の角が大きく伸びたいびつな六角形になる、というのが私の実感に近い考え方です。

FPの相談業務そのものを提供する事務所でも、事情は似ているのではないでしょうか。FP事務所にも、得意とする相談内容や顧客層があるはずです。たとえば保険・不動産・相続など複数の分野を組み合わせて提案するとしても、その事務所の仕事によっては、6分野すべてで1級レベルの知識を必要とするわけではない、と私は考えています。
FP1級の知識があっても、それだけで実務はできない
私はFP1級を取得する前に、会計事務所で働いていました。当時の仕事を振り返っても、資格の知識と、実際に仕事を任されるための力は別だと感じます。
例えば、FP1級で税制を詳しく学んだからといって、その知識だけで税理士補助の業務を一通りこなせるわけではありません。
会計事務所では、顧問先によって事業内容も取引も異なります。取引を会計基準や税法にどう当てはめるのか、過去の処理にはどんな理由があるのか。事務所の税理士が行った判断や顧問先の事情を理解し、日々の経理や申告の準備に反映していく必要があります。
つまり、制度を知っているだけでなく、目の前の仕事にその知識を使いこなす力が必要なのです。
1級の知識があっても、それだけで専門職の即戦力になるわけではない。 これは、会計事務所での勤務経験を振り返り、FP1級を取得して感じたことです。

1級で知識を深めても、それを実務で使いこなすには経験が必要なんだ。

それなら、企業で働く人は1級を目指すより、先に実務経験を積んだほうがいいのかな?
企業への就職なら「FP2級+仕事の専門性」も有力
この違いを踏まえると、求人でFP2級を指定する企業が多いことにも、一定の説明がつきます。
FP2級でお金の基本的な知識を身につけた人が、入社後にその会社の商品・サービスや提案方法を覚え、担当分野の専門性を深めていく。企業にとっては、こうした育て方が現実的なのではないかと私は考えています。
不動産なら「FP2級+宅建士」、経理や経営企画なら「FP2級+簿記」という組み合わせも考えられます。FPでお金全体の知識を示し、別の資格や実務経験で仕事の専門性を高める方法です。
これは企業の採用担当者に聞いた結論ではなく、求人調査と自身の職業経験からの私の仮説です。仕事に直結する資格や実務経験を積むことと、時間をかけて1級を取得すること。目指す仕事に照らして、どちらを先にするか考えてみてください。
一方、応募したい企業がFP1級を優遇条件に挙げているなら、その資格は応募時の強みになり得ます。すでに業務経験がある人が、1級を取るために転職を先延ばしすべきという意味ではありません。資格を持っている場合と、これから取得する場合とでは、取るべき行動も違います。
宅建士や簿記など、FP2級と組み合わせる資格が気になるなら、まず少し学んで相性を確かめる方法もあります。オンスク.JPの「ウケホーダイ」なら、宅建士・日商簿記などの講座を月1,000円台で試せて、合わなければ月ごとにやめられます。
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こちらの記事でおすすめの使い方を解説しています
私がFP1級で実感したのは、肩書きの強さ
取得したときには、すでにフリーランスだった
私は会計事務所で働いた経験があり、その後はフリーランスのWebライターとしてマネー系の記事を多く書いていました。FP1級を取得したのは、会計事務所に勤めていたときではなく、クラウドソーシングなどで記事の執筆を請け負っていたときです。
当時、クラウドソーシングではFP2級を持つライターはよく見かけましたが、1級はそれほど多くない印象でした。
マネーの記事を書くために毎回調べているなら、もっと体系的に勉強したい。その勉強が記事の質にもつながり、「1級FP技能士」という肩書きにもなる。そう考えて取得を決めました。
実績を見せにくい仕事だから、資格が自己紹介になる
フリーランスのWebライターは、「ライターです」と名乗るだけでは、何が得意な人なのか伝わりにくいところがあります。
ライターにとっては、自分の名前で公開された記事など、どのような仕事をしてきたか示せる実績を積むことが本筋です。ところが、クラウドソーシングなどで受託した記事には守秘義務があったり、納品後に依頼先の編集が入ったりします。実際に執筆した仕事が増えても、完成した記事をすべて「自分が書きました」と公開できるわけではありません。
そうした場面で役立ったのが、会計事務所での職歴とFPの資格でした。マネー分野のライターとして仕事を受けるなら、2級より1級のほうが、専門知識を学んできたことを短い肩書きで伝えやすいと感じました。
実際、1級を取得してからは、案件への応募でも選ばれやすくなったという実感があります。1級取得者を求める執筆案件を見かけることもありました。
同じ時期にライターとしての実績も増えていたので、資格と実績のどちらが評価されたのかは分かりませんが、両方が仕事の応募を後押ししてくれたと感じています。
一度取得すれば、一生名乗れる肩書きになる
もう一つ、私がFP1級を取得してよかったと思う理由があります。「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」を一生名乗れることです。
FP技能士の資格は、1級から3級まで有効期限がなく、更新の手続きも必要ありません。
一生名乗れるのは2級も同じです。それでも私が1級を選んだのは、マネー分野の仕事をするうえで、自分が学んだ知識の深さを肩書きで伝えたかったからです。
受託ライターの仕事では、どれほど経験を積んでも、公開できる実績が限られることがあります。取引先や仕事の内容が変わっても、取得した資格は自分のものとして残る。今後どんな働き方をするとしても、プロフィールに「1級FP技能士」と書けるのは、私にとって小さくない価値があります。
もちろん、肩書きだけで仕事や収入が約束されるわけではありません。それでも、自分の専門性を伝える材料を一つ増やし、それを長く使える。私はそのために1級を取得してよかったと感じています。
FP1級が活きるのはどんな仕事・働き方か
専門知識を組み合わせて提案する仕事
すでに仕事の専門性がある人が、相談や提案の幅を広げたい場合は、まずFP2級の知識を加えることが有力だと考えています。例えば、不動産会社で働く宅建士が住宅ローンや家計の知識を身につけたり、会計事務所で簿記の知識を使って顧問先を担当する人が税務以外のお金の相談にも目を向けたりする場合です。一つの専門性を土台に、FP2級で学ぶ広いマネー知識を加えるイメージです。
当サイトが確認した不動産売買仲介の求人には、売買に加えて住宅ローンや家計の提案まで担い、FP1級・2級を優遇する例がありました。複数分野の提案をするために1級が必須というわけではありませんが、1級を明示して優遇する求人もある以上、企業によってはその知識や肩書きが評価される可能性があります。
いずれにしても、資格の知識を実際の提案に使うには、業務経験や顧客への対応力が必要です。1級の取得だけで高い年収が決まるわけではありません。
フリーランスでの受託・講師・執筆など、専門性を示す仕事
もう一つは、所属先の会社名だけでは専門性を伝えにくい働き方です。
厚生労働省のjob tagでも、FP資格は顧客の信頼を得るために望ましいものとされ、税理士・社会保険労務士との兼業や、講師・執筆を行う人がいることが紹介されています。一方、FPの仕事自体は資格がなくてもできると説明されています。
出典:厚生労働省 job tag「ファイナンシャル・プランナー」
資格が仕事を独占させてくれるわけではないからこそ、フリーランスとして仕事を受ける人にとっては「何を任せられる人なのか」を伝える手段が大切です。私にとっての1級は、まさにその役割でした。
なお、会社に雇われず自分で事業を営む場合の収入を考える際は、会社員の給与とは分けて見る必要があります。総務省の「2025年個人企業経済調査」では、個人企業のうち「学術研究,専門・技術サービス業」の1企業あたり年間営業利益は665.9万円です。この分類には税理士や経営コンサルタントなど、FP以外の専門職も含まれます。営業利益は、税金などを引く前の事業の利益です。
出典:総務省「2025年個人企業経済調査」表1-1(PDF)

1級の知識や肩書きが役立つ場面はあるけど、誰でも取得したほうがいいとは限らないんだ。

じゃあ、今の仕事やこれからやりたいことによって、1級を目指すか考えたほうがよさそうだね。
FP1級を目指すべきか?2級の先で考えたい選択
FP1級の勉強は、2級で学んだ各分野をさらに掘り下げるものです。時間をかけて取得するなら、その知識や肩書きをどこで使うのか、先に考えておきたいところです。
| 今の状況 | 私ならどう考えるか |
|---|---|
| 保険・不動産・経理など、特定の業界でこれから働きたい | まず2級の知識を土台に、業界の実務経験や仕事に直結する資格を優先する |
| 保険・不動産などの経験があり、1級を優遇する求人に応募したい | すでに1級を持っていれば応募時の強みにする。未取得なら、取得を待つ必要があるか求人条件と経験を見て判断する |
| 不動産・会計などの専門性があり、顧客への相談や提案の幅を広げたい | まずFP2級の広いマネー知識で、すでにある専門性を補強する。複数分野に対応するためだけに1級まで取る必要はない |
| フリーランスとして仕事を請け負う、講師・執筆などで自分の専門性を示したい | 実績とともに、FP1級を信頼材料の一つとして活かすことを考える |
私自身は、マネーライターとして1級を取得してよかったと思っています。ただ、それは全員にとって同じ答えではありません。「どの仕事で、1級の知識または肩書きを使うのか」が具体的なら、取得する目的もはっきりします。

1級を目指す方向に気持ちが固まったら、まず受検の条件を確認しましょう。
1級は取得までのルートが複数あって、主に実務経験の有無によって選べる受検方法が変わります。
まとめ|FP1級の年収は資格手当だけで判断しない
私にとってFP1級は、マネーライターとしての専門性を伝え、仕事の応募を後押ししてくれたと感じる資格です。
職歴や実績に加えて、一生「1級FP技能士」を名乗れる肩書きが残ることにも、取得してよかったと思える価値があります。
一方、ハローワークの求人調査では、FP1級を明示して優遇する企業はあるものの、資格手当は必ずしも高額ではありませんでした。1級を取るだけで年収が上がるとはいえないのが、確認できた求人からの結論です。
企業で働くなら、FP2級をお金全体の知識の土台にし、宅建士や簿記などの仕事に直結する資格と組み合わせたり、実務経験を重ねたりする道も有力です。求人でも、年収の高い仕事には業界経験や提案業務の経験を求める例がありました。資格の級だけでなく、その会社でどんな仕事を任せられるかが重要になります。
もう少し具体的かつタイムリーな情報収集がしたい場合は、実際にそこで働く社員のクチコミも調べておくと、同じ職種でも採用でどのような選考が行われるのか、入社後の働き方はどうかを比較しやすくなります。

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