記事内のリンク先のサービス利用等により、当サイトに収益の一部が還元されることがあります。
FP資格を取ったものの、今の仕事では活かす機会がない。次の資格として宅建(宅地建物取引士)を考えたとき、「FPと宅建のダブルライセンスを持つと、仕事や年収はどう変わるのだろう」と気になる人もいるでしょう。
宅建とFPの組み合わせを評価する求人は、すでにあります。
住宅・不動産業界では両資格を歓迎する募集があり、さらに金融と不動産の経験を組み合わせる専門職には、年収1,000万円を超える募集も見つかります。
大切なのは、資格を二つそろえることだけをゴールにしないことです。FP資格を持つ今の自分から、どんな仕事に進み、何を経験すればその先の仕事に近づけるのか。 そこまで見えてくると、宅建を勉強する意味も具体的になります。

この記事では、FPと宅建士のダブルライセンスを検討されている方に向けて、金融と不動産の両方に関わる仕事と年収を求人から確認します。
あわせて、FP2級で学んだ知識を宅建の勉強にどこまで活かせるかも確認しました!
記事では、当サイトが関東1都6県のハローワークで独自に調べたFP関連求人の調査結果を使用しています。調査対象は、正社員・フルタイムで、FP資格を必須または優遇とする募集です。

当サイトの調査内容はFP(ファイナンシャルプランナー)資格を活かせる仕事調査にまとめています。
あくまで傾向分析のための公開求人に対する調査で、求人紹介ではありません。

1級FPライター
イシダ
FP全級を独学で一発合格(1級はきんざい学科→協会実技)/相続とタックスが得意/元・会計事務所/ Lancers金融ライタースペシャリスト認定
宅建とFPの違い
FPはお金の相談に関わる幅広い知識を学ぶ資格、宅建士は不動産取引で法律上の役割を担う資格です。 この違いが、二つを組み合わせる意味になります。
FPで学ぶのは、金融資産運用、住宅資金、税金、相続、そして、不動産の法令や一般的な税制などです。住宅を購入する人に、住宅ローンや購入後の家計をアドバイスする際に役立ちます。ただしFP技能士の資格には、宅建士のような独占業務はありません。
一方、宅建士には、契約前の重要事項説明や、重要事項説明書・契約締結時の書面への記名といった独占業務があり、不動産取引に欠かせない存在です。宅建業者の事務所には、原則として従業者5人につき1人以上の割合で専任の宅建士を置く必要もあります。

実際に宅建士として業務をするには、試験合格だけでなく登録と宅建士証の交付が必要です。
住宅の売買では、不動産取引を適切に進めることと、購入者が無理のない資金計画を立てることの両方が大切です。
宅建士の不動産取引に関する専門性と、FPのお金に関する知識が交わる場所が、不動産の営業や資産相談なのです。
FP資格と宅建士・不動産経験を評価する求人がある
実際の求人でも、FP資格を歓迎し、宅建士や不動産業界の経験をあわせて評価する募集が確認できました。住宅・不動産・建設分野は、当サイトのFP関連求人調査でも多く見つかった分野です。
次の表は、当サイトがハローワークで確認した仕事の例です。
| 仕事 | 年収の例・数字の種類 | FP資格 | 宅建士・不動産経験 |
|---|---|---|---|
| 不動産売買仲介 | 年収500万円以上の募集例 | FP1級・2級を優遇 | 不動産業界の経験が必須。宅建士の条件は確認資料に記載なし |
| 住宅メーカーの主任・係長・課長職 | モデル年収600万円台~1,200万円台 | FP2級が「いずれか必須」の選択肢 | 宅建士も「いずれか必須」の選択肢。二級建築士でも可。営業経験5年以上などが必要 |
| 分譲住宅営業 | 年収700万円台の例。契約棟数によって年収1,000万円超の例も | FP資格を優遇(等級指定なし) | 宅建士を歓迎。不動産営業・住宅販売の経験が必須 |
| 新築住宅営業・不動産相談 | 未経験入社の社員の、入社8年目の給与実績が800万円以上 | FP資格を優遇(等級指定なし) | 宅建士を歓迎。経験不問 |
例えば住宅メーカーの管理職求人では、FP2級・宅建士・二級建築士のいずれかがあれば資格面の条件を満たせる形になっています。すでにFP2級を持っている人なら、宅建を取る前から資格面では応募条件に該当します。さらに実際の採用では営業や管理職の経験も必要になるため、今後どんな経験を積むかが重要になります。
新築住宅営業の例は、経験不問でFPと宅建の両方を歓迎し、未経験入社の社員に入社8年目で800万円以上の給与実績がある募集です。未経験から関連業界へ入り、資格と仕事の経験を積み重ねる道もあるということです。
なお、内閣府の調査では、全職種の募集時給の中央値がハローワークで990円、民間で1,200円(内閣府 DP/26-12)となり、民間のほうが約21%高く、比較したどの年も上回っていました。
ハローワークの求人の賃金は、民間の求人より低めに出る傾向があるということです。

FP資格を持っている人が不動産の仕事に進めるのは分かったよ。もっと年収の高い仕事だと、何が求められるの?

民間には金融と不動産の経験を組み合わせて評価する専門職があるよ。次はその先を見てみよう。
宅建とFPのダブルライセンスの先にどのくらいの年収を目指せる?
経験を積めば年収1,000万円を超える仕事も視野に入る
金融と不動産の知識・経験を組み合わせる仕事には、年収1,000万円を超える募集もあります。民間サイトの求人(2026年10月時点)では、ハローワークでの調査では確認できなかった、より専門的な求人も見られました。
例えば、富裕層向けの不動産・資産コンサルティングです。金融資産だけでなく、不動産の売買や活用、相続、事業承継まで視野に入れ、資産家や企業経営者に提案する仕事があります。また、投資用不動産の営業・管理職にも、年収1,000万円超の募集や給与実績を示す例が確認できました。
ここで評価されているのは、取り扱える資産の幅広さだけではありません。民間の公開求人では、金融機関での法人営業、富裕層向け営業、不動産売買仲介、投資用不動産の提案、経営者との折衝経験などが応募条件や歓迎条件に挙げられています。
宅建士を必須とし、FP資格を歓迎する求人もありましたが、それ以上に、実績や経験が重視されている印象です。

たとえば、金融機関で資産運用や顧客への提案を経験した人なら、宅建を取得して不動産も含めた資産相談へ進む。不動産営業の経験がある人なら、金融・相続の知識を使って資産家への提案へ広げる。
これまでの仕事で培った強みを、もう一つの分野で活かすことで、ハイクラスの仕事が見えてくる印象を受けました。
すでに金融・不動産業界で働いている人なら、今の仕事を続けながら、FPや宅建を取得することで、こうした業種に挑戦できる可能性がみえてきます。
統計や求人情報だけでは、詳しい業務内容や年収との関係まではわからない部分があります。
本格的に活動をする前に、もう少し自分で具体的かつタイムリーな情報収集がしたい場合は、実際にそこで働く社員のクチコミを見ることがおすすめです。

こちら、「すべてのキャリアをオープンに」をコンセプトとした会員制の転職クチコミサイト(無料)です。
選考体験談や転職時の年収変化など、リアルで詳しい情報が掲載されています。
会員登録後は無料でつかえます。掲載された口コミ情報数は6万件に達しているそうです(2026年10月時点)。
では、FP資格は持っていても、金融や不動産の仕事を経験したことがない人はどうすればよいでしょうか。

本当はFPの資格を活かしたいし高年収の仕事も目指したいけど、今の仕事が金融や不動産と無関係ならどうするか、ということだね

FP資格を歓迎しつつ、未経験でも応募可能な仕事から始める方法があります。
FP資格を持つ未経験者は、どうやって実績を積むべきか
金融・不動産の実務経験がない人は、FP資格が評価される仕事に就き、顧客対応や提案の経験を積む方法があります。
FP資格を活かして金融・不動産の営業経験を積む
FP資格の保有者が、金融や不動産の仕事に入る最初の一歩として、住宅営業や保険営業が候補になります。
当サイトの調査では、FP資格を歓迎し、業界経験を必須としない新築住宅営業・不動産相談の求人を確認できました。住宅の提案を通じて、物件の知識だけでなく、住宅ローンや資金計画に関わる経験も積める仕事です。
金融・保険分野でも、FP2級を歓迎し、法人営業や保険販売の経験を「あれば尚可」とする生命保険営業の募集がみられます。FPで学んだ保険の設計やライフプランニングを顧客への提案につなげ、長期的な関係を築く経験を積めると考えられます。
どちらも、高年収帯の仕事で評価される「お金の相談を受け、顧客の状況に合わせて提案する経験」へつながります。
経営者や富裕層向けの営業経験を積むには

経営者や富裕層向けの営業経験なんて、どこで積めるの?

会計事務所の顧問先担当を、選択肢の一つとして紹介します。
会計事務所や税理士法人は、税理士(あるいは公認会計士・税理士)を筆頭に、顧問先の法人や個人事業主の税務会計の指導や決算・申告書類の作成代行を通じて、さまざまな支援を行っていく仕事になります。
特筆すべきは、顧客のほとんどが中小企業の経営者であり、資産家でもあることです。
そして中小企業の経営者の困りごとは、資金繰り、経営改善、事業承継、相続、M&A、経営者個人の資産管理、保険の見直し、不動産の問題、人事労務など無限にあります。
担当者はその困りごとをキャッチし、その事務所で解決できることを考えます。担当先を持てるようになれば、工夫次第でどんどん営業実績を上げられる仕事です。

FP資格を優遇する求人が意外と多いのも特徴です!
筆者は簿記を取得し、未経験で会計事務所に採用してもらえたタイプです。
最初は、会計ソフトの入力作業などを内勤で経験し、その後に担当先をいただきました。担当先の社長から相談を受けるたびに視野がどんどん広がっていく時期があり、成長が実感できてとても楽しかったです。
経営者や富裕層向けのお仕事を経験したい人におすすめしたい選択肢です。
FPの知識は宅建試験の勉強にどこまで活かせる?
FP2級を取得している人なら、宅建の学習は完全にゼロからのスタートではありません。ただし、FPの不動産分野を学んだだけでは対応できない部分もあります。
宅建業法は試験の4割を占める新たな学習分野
宅建試験は全50問です。2023~2025年度の過去問では、そのうち20問が宅建業法で、全体の40%を占めています。
一方、FP2級の学科は60問で、不動産は6分野の一つです。今回確認した2024年1月・2025年1月の学科試験で、宅建業法を直接扱う問題はそれぞれ1問でした。
宅建業法では、宅建業者の免許、媒介契約、重要事項説明、契約書面、報酬の規制などを学びます。FP2級で触れる内容より範囲も深さも大きいため、ここは新しく勉強する中心になります。

宅建業法だけで4割もあるんだね。FP2級の勉強はあまり役に立たないのかな?

権利関係や建築規制、税金には共通するテーマがあるよ。そこはFPの知識を土台にできるんだ。
借地借家法・建築規制・税制はFP2級の学習が土台になる
当サイトでは、宅建の2023~2025年度の過去問と、FP2級の学科2回・実技4回(きんざいと日本FP協会)を比較しました。そこで見つかった共通分野をまとめると、次のとおりです。
| 宅建の分野 | FP2級ですでに学んでいる内容 | 宅建で新たに学ぶこと |
|---|---|---|
| 権利関係 | 民法の基本、借地借家法、普通借家契約と定期借家契約 | 契約や権利の細かな条件、第三者との関係、判例など |
| 法令上の制限 | 用途地域、建ぺい率・容積率、建築基準法の基本 | 土地利用・建築の規制や例外、農地法など |
| 税・その他 | 固定資産税、不動産の譲渡所得、価格・評価など | 宅建独自の出題内容や、細かな取扱い |
| 宅建業法 | FP学科で一部扱う | 免許・媒介契約・重要事項説明・報酬規制などを体系的に学ぶ |
例えば、日本FP協会の2024年9月の実技では、普通借家契約と定期借家契約の違いや建築面積の上限、固定資産税が出題されています。2025年1月の実技には容積率の計算があり、きんざいの実技でも建ぺい率・容積率が扱われています。
こうした分野では、FP2級で聞いたことのある法律用語や計算が登場します。もっとも、宅建では条件や例外まで問われるため、FPの知識を出発点にして、宅建で必要な深さまで学び直すという考え方が合っています。
出典:不動産適正取引推進機構「宅建試験の過去問」/日本FP協会「試験問題・模範解答」
宅建の勉強時間は一般に300~400時間が一つの目安
初めて学ぶ人について、資格スクールなどが示す宅建の学習時間はおおむね300~400時間とされています。
FP2級取得者なら、借地借家法や建ぺい率などの共通部分を学んだ経験があります。
それによって学習時間が何時間短くなるかの計算は難しいのですが、「既視感がある分野は学習が進むのが早い」というのが筆者の実感です。

ちなみに筆者はFP2級合格後に100時間くらい勉強して受けてみましたが、3点たりずに不合格でした…

さすがに甘くみすぎだ…
今から宅建を目指すなら次の試験は2027年秋
2026年度の宅建試験は10月18日に実施されました。これから受験を考えるなら、次は2027年度の試験です。
まずは、宅建業法を含む、宅建の講義を少し聞いてみるのもよいでしょう。
「オンスク」なら、宅建や簿記など70以上の講座を月1,000円台で受講できるサブスクサービスです。
宅建の場合、講義動画は全150回・約21.5時間・演習問題628問、学習管理機能付きとなります。
他にも証券外務員や、住宅販売で活かせるインテリアコーディネーターなどの講座も受け放題です。

こちらの記事でおすすめの使い方を解説しています
まとめ|宅建とFPのダブルライセンスで高年収への道を広げる
宅建とFPの組み合わせを評価する仕事は、住宅・不動産業界を中心に存在します。
そして、その先には、金融と不動産の両方の経験を評価し、年収1,000万円を超える仕事もあります。富裕層や経営者への提案、不動産取引などの経験を積んだ人が、目指せる専門職です。
将来どんな仕事を目指すかを考え、その仕事に必要な経験と勉強を少しずつ重ねることが、FP資格をこれからの収入につなげる方法です。
ただ、「転職もありかな」と考えていても、いきなり転職支援サービスなどを活用してガンガン行動するのも、まだ決意していないうちは気が引けるのではないでしょうか。
かといって、統計や求人の傾向だけでは、興味のある会社があっても詳しい業務内容と年収の関係まではわかりません。
自分だけで、もう少し具体的かつタイムリーな情報収集がしたい場合、実際にそこで働く社員のクチコミを見ると、どのような選考が行われるのか、入社後の働き方はどうかをイメージしやすくなります。

こちら「すべてのキャリアをオープンに」をコンセプトとした会員制の転職クチコミサイト(無料)です。
選考体験談や転職時の年収変化など、リアルで詳しい情報が掲載されています。
会員登録後は無料でつかえます。掲載された口コミ情報数は6万件に達しているそうです(2026年10月時点)。

