調査日時:2026年11月1日〜4日
今回確認できた求人は159件でした。
| 区分 | 件数 |
|---|---|
| FP資格が必須 | 3件 |
| FP資格を優遇 | 83件 |
| 小計(①) | 86件 |
| FPを含む複数資格のいずれかが必須(②) | 59件 |
| FP資格手当のみ(③) | 14件 |
| 全体の合計(①+②+③) | 159件 |
11月中に確認できた求人の件数で、ある一時点の求人数ではありません。同じ求人が番号を変えて出し直されていた1件は、1件として数えています。確認前に掲載が終わった求人はありませんでした。
たとえば「宅建士・二級建築士・FP2級のどれかを持っていれば応募できる」のような求人です。
今月の59件は、すべて同一の住宅メーカー1社が、拠点別・職位別(住宅営業・リフォーム営業の主任・係長・課長)に出した求人です。
この求人では、FP2級などのFP資格が宅建士・二級建築士と同じ扱いの応募資格になっています。

FP資格を「必須」「優遇」とする求人とは別に集計しています。
採用条件にはFP資格は求められていないものの、FP有資格者への手当がある求人になります。
ここからは、FP資格が必須の3件と、優遇の83件を合わせた86件を対象に、仕事内容や資格の扱いを詳しく見ていきます。
「FPを含む複数資格のいずれかが必須」の求人は、FP資格と仕事内容の関係を切り分けにくいため、ここからの分析では除きます。

1級FPライター
イシダ
FP全級を独学で一発合格(1級はきんざい学科→協会実技)/相続とタックスが得意/元・会計事務所/ Lancers金融ライタースペシャリスト認定
求人傾向の分析結果
ここからは、採用時にFP資格を「必須」または「優遇」する求人86件の内容を分析します。
結果は以下のとおりです。
| 分野 | 件数 | 主な仕事 |
|---|---|---|
| 住宅・不動産・建設 | 54件 | 注文住宅・分譲住宅営業、売買仲介、リフォーム営業、建築提案・建設営業、土地活用の提案営業、不動産の営業事務など |
| 金融・保険 | 11件 | 保険営業、生命保険営業、来店型保険ショップの相談、保険事務、営業教育、金融機関の法人営業 |
| JAの複合業務 | 8件 | 総合職(営業・窓口事務・農業関係)、窓口業務 |
| 家計・相続相談 | 6件 | 相続コンサルタント、相続手続の相談、相続・生前対策のコンサルティング、住宅・相続相談、相続コーディネートの事務補助 |
| 税務・会計 | 3件 | 税務会計スタッフ、相続・資産税コンサルタント |
| 企業年金・確定拠出年金 | 1件 | 企業型確定拠出年金の企業担当者対応・従業員の個別相談 |
| FP教育・研修 | 1件 | FP教材の編集・事務(講師も担当) |
| 企業管理部門 | 1件 | 経理 |
| 福祉・生活相談 | 1件 | 総合相談職 |
| 合計 | 86件 |
・住宅・不動産・建設が54件で最多。ただし、このうち43件は同じ住宅会社1社が拠点別に出した注文住宅営業の求人で、それ以外の住宅会社、不動産会社、建設・リフォーム会社などからの求人は11件
・次いで金融・保険が11件。FP資格が必須の3件のうち2件はこの分野だった
・JAの複合業務は8件。このうち7件は千葉県の同じJAが区・市ごとに出した総合職の求人で、どれもCFP/AFPを歓迎している
・今月は、企業型確定拠出年金の相談を担う求人でもCFP/AFPが歓迎されていた
FP資格が必須の求人
FP資格を必須とする求人の主な仕事内容と求められる等級などです。
| 分野・業務 | 主な仕事内容 | 求められる資格・経験 |
|---|---|---|
| 保険/生命保険営業 | 既存の契約者を訪問するルート営業 | FP2級必須。金融機関などでの営業経験5年以上も必要 |
| 保険/営業教育 | 保険代理店での営業教育(研修の企画・運営、FP資格などの資格管理) | AFP以上必須(経験の欄にもAFP以上の記載)。生命保険会社の出身者 |
| FP教育/総合職 | FP教材・問題集の編集、事務(能力に応じて講師も) | CFP/AFPが必須。1級FP技能士は歓迎。金融関連の事務経験やFP教育の経験なども必要 |
・必須の3件は、いずれも10月の調査から引き続き掲載されている求人
・生命保険営業ではFP2級に加えて、金融機関などでの営業経験5年以上という実務経験も求められている
・保険代理店の営業教育や、FP教育の会社の総合職では、AFP以上が条件。FPの知識を教える・管理する立場の仕事では、AFP・CFPが基準になっている
AFPとは、日本FP協会による認定資格の一つです。FP2級の合格とAFP認定研修の修了の両方を満たし、日本FP協会に登録すると取得できます。
FP資格が優遇される求人
採用においてFP資格を優遇する求人の主な仕事内容と求められる等級などです。
| 分野 | 件数 | 主な企業・団体の種別 | 主な仕事 |
|---|---|---|---|
| 住宅・不動産・建設 | 54件 | 一般事業者:住宅メーカー、不動産会社、建設・リフォーム会社、工務店、測量事務所など | 注文住宅・分譲住宅営業、売買仲介、リフォーム営業、建築提案・建設営業、土地活用の提案営業、不動産の営業事務など |
| 金融・保険 | 9件 | 一般事業会社:保険代理店、保険事業を行う他業種の会社など/金融機関 | 保険営業、生命保険営業、来店型保険ショップの相談、保険事務、法人営業 |
| JAの複合業務 | 8件 | 協同組合:農業協同組合(JA) | 総合職(営業・窓口事務・農業関係)、窓口業務 |
| 家計・相続相談 | 6件 | 相続コンサルティング会社、司法書士法人、住宅・不動産関連事業者など | 相続コンサルタント、相続手続の相談、相続・生前対策のコンサルティング、住宅・相続相談、相続コーディネートの事務補助 |
| 税務・会計 | 3件 | 士業事務所:税理士法人 | 税務会計スタッフ、相続・資産税コンサルタント |
| 企業年金・確定拠出年金 | 1件 | 一般事業会社:企業年金のコンサルティング会社 | 企業型確定拠出年金の企業担当者対応・従業員の個別相談 |
| 企業管理部門 | 1件 | 一般事業会社 | 経理 |
| 福祉・生活相談 | 1件 | NPO法人 | 総合相談職 |
| 合計 | 83件 | — | — |
優遇の83件には、資格欄ではなく特記事項や仕事内容の欄で「FP有資格者は優遇」と書かれた3件と、経験の欄でFP資格者を歓迎・優遇する2件を含みます。
・住宅・不動産・建設では、注文住宅営業のほか、土地活用の提案営業や不動産の営業事務、リフォーム営業でもFP資格が歓迎されている
・保険分野の優遇求人は、保険代理店だけでなく、保険事業を手がける他業種の会社や金融機関からも出ている
・税務・会計の3件のうち2件は日商簿記3級が必須で、FPは簿記にプラスする資格として扱われている
FP3級・2級・1級、AFP・CFPは求人でどう評価されているか
FP資格の等級、種類ごとに求められている職種です。
複数の級・資格名を記載している場合、それぞれ計上しています。(例: FP2級・3級優遇→FP2級・FP3級に1件ずつ計上)
| 級・資格 | 必須 | 優遇 | 主な職種 |
|---|---|---|---|
| FP3級 | 0件 | 8件 | 保険営業、保険事務、金融機関の法人営業、税務会計スタッフ、相続・資産税コンサルタント、測量事務所の現場・事務 |
| FP2級 | 1件 | 6件 | 生命保険営業、保険営業、住宅・相続相談、注文住宅営業、不動産売買仲介 |
| FP1級 | 0件 | 3件 | 不動産売買仲介、保険営業、FP教育会社の総合職 |
| AFP・CFP | 1件 | 2件 | 営業教育、保険営業、住宅・相続相談 |
| 等級の指定なし | 1件 | 70件 | 注文住宅・分譲住宅営業、建設営業・建築提案、土地活用の提案営業、不動産仲介、相続コンサルタント、来店型保険ショップの相談、JAの総合職・窓口業務、企業年金の相談、経理、FP教育会社の総合職、福祉の総合相談職など |
求人票の資格欄で「ファイナンシャルプランナー(CFP/AFP)」を選んでいるだけの求人は、求められる等級を判断できないため「等級の指定なし」に含めています。
AFP・CFPとして数えているのは、求人票にAFP・CFPと明記されている求人のみです。
・等級を指定した求人では、FP3級の優遇が8件と最も多く、保険のほか、金融機関の法人営業、税務会計、相続・資産税のコンサルタント、測量事務所の事務にも広がっている
・FP2級は必須1件・優遇6件。保険・住宅・不動産・相続相談と、FPの知識を顧客への提案に使う仕事で評価されている
・必須・優遇86件のうち71件は「等級の指定なし」。同じ住宅会社の注文住宅営業43件を除いても、等級を指定しない求人のほうが多い
資格手当から見える給与面の評価
FP資格を手当の対象と明記した求人は15件ありました。
このうち1件は、FP資格が必須または優遇となっている86件に含まれます。
残る14件は、応募条件としてFP資格を求めてはいないものの、資格手当の対象としてFPが記載されていた求人です。このうち7件は、同じ保険代理店が拠点別に出した求人です。
具体的には、次のような例がありました。
| 業務 | 等級・手当額 |
|---|---|
| 生命保険の訪問営業 | FP2級に月1万円 |
| 土地仕入れ営業 | FP2級に月1万円、FP3級に月5,000円 |
| 保険営業(来店型) | FP1級に月5,000円(例示) |
| 法人向けマンション販売 | FP資格に月3,000〜1万5,000円 |
| 不動産売買・賃貸営業/経理事務 | FP資格に月5,000〜1万5,000円 |
| 住宅営業(営業兼設計)/建築施工管理 | FP1級(資格手当は月2,000〜2万円) |
| 保険コンサルタント(7件) | FP2級など(金額の記載なし) |
・金額が分かる例では、FP2級への手当は月1万円。FP3級に月5,000円を出す求人もあった
・住宅・不動産の会社では、宅建士や建築士と並んでFPを資格手当の対象にする例が目立つ
・経理事務や建築施工管理など、営業職以外でもFP資格に手当を出す求人がある
年収500万円以上の求人状況
FP資格が必須の3件と、優遇の83件を合わせた86件の中で、年収500万円以上の水準に届く求人は4件です。
月給の年換算、年収例や賞与・歩合などから、年収500万円以上を目指せる求人を対象としています。
| 収入の水準 | 分野 | 業務の種類 | FP資格の扱い | 仕事の特徴・求められる条件 |
|---|---|---|---|---|
| 700万円台 | 住宅・不動産・建設 | 分譲住宅営業 | 優遇(等級の指定なし) | 不動産営業・住宅販売の経験が必須。宅建士・木造建築士も歓迎。契約棟数しだいで年収1,000万円を超える例も示されている |
| 500万〜600万円台(年収例) | 金融・保険 | 生命保険営業 | FP2級優遇 | 年収例は勤続や役職(係長・課長)に応じて上がる。法人営業・保険販売の経験を歓迎 |
| 500万円台 | 住宅・不動産・建設 | 建設営業のリーダー候補 | 優遇(等級の指定なし) | 2級建築施工管理技士が必須。建設・受注型営業の経験と若手の育成も求められる |
| 500万円以上(歩合給しだい) | 住宅・不動産・建設 | 不動産売買仲介 | FP1級・2級優遇 | 売買仲介に加え、住宅ローンや家計の提案まで担う。不動産業界の経験が必須 |
・4件中3件は住宅・不動産・建設。月給と賞与の水準が高い分譲住宅営業のほか、歩合給で大きく伸びる不動産売買仲介が並ぶ
・生命保険営業では、勤続年数や係長・課長といった役職に応じて年収例が上がっていく
・4件とも、業界での営業経験や建築施工管理技士など、FP以外の経験・資格もあわせて求められている
・どの求人もFP資格は「優遇」の位置づけ。収入を決めるのは職務そのもので、FPはその職務を後押しする資格として評価されている
参考:FP資格の必須・優遇条件ではないものの、高い賃金が示された求人
・住宅メーカーの住宅営業・リフォーム営業の主任・係長・課長職:宅建士・FP2級・二級建築士のいずれかが必須。営業経験5年以上と管理職経験も必要で、モデル年収は600万円台から1,000万円以上
・金融業界などでの経験を歓迎する独立系FP法人のシニアコンサルタント:FP資格の記載はない。月給と賞与から年収600万円台
FP資格単体ではなく、管理職としての経験や金融業界での経験そのものが評価されている求人です。
FP以外で評価されやすい資格例
FP資格を必須・優遇する求人で、あわせて評価されている主な資格・経験は以下のとおりです。
| 業種 | FP以外に評価される資格・経験の例 |
|---|---|
| 注文住宅・不動産営業 | 宅建士、建築士、普通自動車運転免許、不動産営業・住宅販売の経験 |
| 建設営業・建築提案 | 2級建築施工管理技士、二級建築士、建設・受注型営業の経験 |
| リフォーム営業 | 住宅・リフォーム業界での営業経験 |
| 保険営業・保険事務 | 生命保険の募集に関する資格、保険営業・保険業界の経験、金融機関などでの営業経験 |
| 企業年金の相談 | 生命保険募集人資格(必須)、FPの個別相談または生命保険営業の経験 |
| 金融機関の法人営業 | 日商簿記3級、証券外務員、金融機関での実務経験 |
| JAの総合職・窓口 | 証券外務員、宅建士 |
| 相続相談 | 宅建士、行政書士、司法書士、営業経験 |
| 税務会計 | 日商簿記3級(必須)、会計事務所での実務経験 |
| FP教育 | 金融関連の事務経験、CFP資格、FP教育の経験 |
| 福祉の相談職 | 社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員、産業カウンセラー |
・住宅・不動産では宅建士や建築士、建設では建築施工管理技士、税務会計では日商簿記など、仕事に直結する資格がFPと一緒に求められている
・保険や企業年金の分野では、生命保険募集人資格や保険営業・金融機関での経験が条件になる求人が目立つ
・「FPと相性のよい資格」を一つに決めるより、目指す仕事を先に決め、その仕事で評価される専門資格や経験とFPを組み合わせるほうが求人との対応を見つけやすい

