投資初心者がNISAをはじめる前に絶対に知っておくべき5つのこと

投資を実際にやってみると、NISAの何がすごいのかはだんだんわかってきます。

しかし投資をやっていない人にしてみれば、何がすごいのかなかなか把握しづらいものです。

投資だのお得だのと言われると「NISAって怪しいのでは」と感じることもあると思います。

そして世の中のNISAの説明の多くは、投資の知識があることが前提になっていると感じます。

例えば「NISAを使うと非課税になる」と言われても、これからNISAと投資を一緒に勉強する人にとっては「NISAを使う?”使う”って何?」「非課税って何が?」「税金が安いに越したことはないだろうけど、それって騒ぐほどすごいことなの?」と思うのが普通です。

今回は、投資を始めたばかりの人やこれから投資に挑戦する人にむけて、NISAで何ができるのか、どうすれば使えるようになるかがわかるよう、NISAの5つの特徴をお伝えします。

NISAで知っておくべき5つのポイント

1:NISAとは金融商品投資に適用される「税制」のこと

最近よく聞くNISAってなんですか

NISAとは税制の名前です

金融商品への投資で獲得した利益には税金がかかります

その税金が非課税になる制度のことです

NISAでやる投資が特別なのではなく、税制が特別なのですね

そうです

株投資や投資信託の購入といった昔からある投資が、NISAを使えば非課税にできるという話です

NISAは2014年にはじまった、個人による金融商品投資に適用される税制の名称です。投資方法や商品の名前ではありません。通常の投資方法と異なり、その配当や売却益にかかる税金がすべて非課税になります。

2:金融商品投資のリスクがある

NISAの対象になる投資とはなんですか

株式、投資信託、ETF、REITなどへの投資です

税制が特別なだけで、基本的には金融商品への投資なのですね

そうです

なので金融商品への投資リスクがあります

えっ怖い…

ただ、NISAには資産形成に向いているローリスクな投資対象を選びやすい仕組みがあります

2018年にはじまった「つみたてNISA」では、政府が一定の基準で認める長期投資向きの投資信託のみが投資対象となっています。元本割れしやすい投資信託によく見られるハイリスクな要素を減らした、ローリスクといえる商品が中心であるため、商品選びに自信がない人におすすめです。2024年からの新NISAでは「つみたて投資枠」においてこの商品に投資することができます。

3:NISAで非課税になるのは配当と売却益

NISAで非課税になる利益とはなんですか

2種類あります

1つは、対象となる金融商品を保有している間に配られる利益の分配金です

株式の配当金や投資信託の分配金などをいいます

もう1つは対象となる金融商品を売った時に得られる売却益、つまり買値と売値の差額です

この2つが非課税であれば、普通の個人投資家が負担する税金はないと思ってよいです

「実は他のところで税金がめちゃくちゃかかる」という落とし穴もないのですね

NISAでは、証券会社に申し込んで開設した「NISA口座」で取得した株式などの配当金(投資信託なら分配金)にかかる税金と、売却代金と取得価額との差額(売却益)にかかる税金が非課税になります。

これらは税金や社会保険料の計算の基礎となる所得にはなりません。ただし、社会保険の扶養の判定において、年収130万円等の判定対象に含まれることはあります。下記の記事で解説しています。

4:NISAの利益は所得にならない

NISAで得た配当や売却益は非課税です

そのため所得にも含まれません

所得条件のある控除などもこれまでどおり適用できます

NISAで得た配当や売却益は非課税であるため、所得に含まれません。このことには、次のようなメリットがあります。

・確定申告がいらない

・所得税や住民税の各種控除の判定で有利にはたらく(配偶者控除、扶養控除など)

・その他、所得制限のある制度でも有利にはたらく

配当を非課税にするには「株式数比例配分方式」を選択する必要があります

社会保険はどうですか?

今納めている社会保険料にも、基本的には影響しません

ただし、家族の扶養に入って社会保険料を負担していない人が投資をはじめる場合は注意が必要です

社会保険の扶養判定に影響する可能性はあります。家族の扶養に入っており社会保険料を負担していない人がはじめる場合は、加入中の社会保険のルールに注意が必要です。前項の解説も参考にしてください。

所得に含まれないことは、NISAならではの効果ですか?

NISA以外に「特定口座(源泉徴収あり)」という口座で取引をし、確定申告をしなかった場合でも同じ効果が得られます

ですので「金融商品に共通する投資メリット」といってよいでしょう。

所得制限のある制度では所得が増えないほうがお得ですもんね

そうですね

税金だけでなく、医療費の還付金(高額療養費制度)などでも有利な判定が受けられます

5:NISAを使うにはNISA口座に商品を買い入れる必要がある

NISAを使って投資をするという行為が、いまいちイメージできません

まずは金融商品に投資をする方法について説明しますね

株や投資信託などの金融商品は、証券会社を通じて売買します

売買をするには証券会社に自分の口座を開設してから、「買い」や「売り」の「注文」を入れる必要があります

NISA口座を開設すると、「買い」の注文をする時に、その商品をNISA口座に入れて管理するか、通常の口座に入れて管理するかどうかを選択することができます

その時に「NISA口座」を選択すればいいんですね

そうです

「NISAで投資をする」とは「NISA口座に商品を買い入れる」ということです

金融商品の売買をするには、証券会社に自分名義の口座を開設します。そうすると証券会社を通じて株や投資信託などを売買できるようになり、保有中の商品は自分名義の口座内で保管されるようになります。開設できる口座は、NISA口座を含めて3種類あります。どの口座を保管先にするかは、商品を購入するたびに選択できます。NISA(非課税制度)を使いたい場合は、買い注文のタイミングで、保管先にNISA口座を選択する必要があります。

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まとめ

・NISAとは金融商品投資に対する非課税制度の名称である

・金融商品投資のリスクがあるが、リスクをコントロールしやすいNISAのための商品がある

・配当と売却益のいずれも非課税になる

・その年の所得にならないため、所得制限のある税金の控除などに影響しない

・NISAで投資をはじめるにはNISA口座を開設し、その口座に金融商品を買い入れる必要がある

NISAを活用してどのように投資をすればよいかは、こちらの記事で解説しています。

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