生命保険は、「人が亡くなること」に備えるための保険であり、基本的には自分のためではなく家族のために入る保険です。
「このような生命保険の性質から、自分から積極的に加入しようとしない夫に対して、どのように説得するか悩んでいるケースが存在します。

良かった、うちだけじゃないんだ
子どもにこれからお金がかかるから備えないといけないのに…
もちろん妻に対して同じように悩んでいるケースもありますが、この手の悩みは、筆者の経験上、妻側が抱えることが圧倒的に多いです。
この記事では、夫が生命保険に加入したがらない理由や、その場合の配偶者の対応方法をご紹介します。
夫が生命保険に入らない心理
健康や若さを過信して、必要性を感じていない
将来のことを本当に考えられる人は意外と少ないものです。
特に年齢が若い場合、自身が健康であるため、生命保険の必要性を感じる機会がありません。
20代から30代くらいまでは、ほとんどの人が自分がいつか亡くなることなど想像もしないでしょう。
「まだ若いし、病気一つしたことないから大丈夫だって!」「事故?そんなの普通に大丈夫でしょ」と思っている方は多いものです。
しかし、子どものいる家庭において、夫が若くして亡くなるリスクへの対策は欠かせません。
万が一、夫が若いうちに亡くなると、子どもが小さいため妻がすぐに復職できず、収入が大きく減ってしまうことが予想されます。
子どもを育てながら将来の教育資金を一人で貯蓄しなければならないことを考えると、若いからこそ生命保険が必要であることがわかります。
自分の死後のことを考えたくない
自分が亡くなった後の家族の状況を考えたくないという理由もあります。
生命保険の目的や必要性は理解していても、自分が亡くなった後のことを想像することは誰にとってもつらいことです。
また、実際のところは自分がいなくなった後の話なので、真剣に考える妻と温度差が生じやすいところもあります。
感情のすれ違いがある
生命保険の加入を勧めたところ、夫から冷たい反応をされて、その無責任さにがっかりした人もいるかもしれません。
しかし、家族のために日々働いている夫にとって「自分がいなくなった後の生活の話」を聞きたいと感じる人はいないでしょう。
また、夫のこのような反応は、実は普段からの感情のすれ違いが原因であり、真意ではない可能性があります。

でもがっかりするよ…
こっちはこんなに考えているのに全然わかってくれないじゃん!って思うよね…
生命保険の代わりになる資産がある
生命保険の代わりとなる資産を所有しているため、加入する必要がないと考える夫もいます。
もちろん、十分な資産があれば生命保険は不要です。加入を勧める必要はありません。
その一方で、教育資金の相場をよく知らず将来の支出を過小評価していたり、遺族年金などの公的制度を過信していたりして、十分な資産があると誤解しているケースもあるので注意が必要です。
保険セールスに抵抗感がある
保険のセールスに対して否定的な感情を持っている夫もいます。
知人から強引に勧誘されたり、職場と提携している保険会社の販売員が昼休みに勧誘を行い仕事の邪魔をされたりして嫌な想いをしたことのある人はいると思います。
部外秘の資料をデスクで見ている時に、背後で販売員に立ち止まられたことから慌てて隠した経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その人が悪いわけじゃないし、押しが強いのはごく一部の人なんだけど、それがすべてのイメージになってしまうんだよね
保険の複雑さに不信感を抱いている
保険はどれもかなり複雑であり、この複雑さが、保険そのものに対する不信感につながることもあります。
保険が複雑である理由は、主に次の2つです。
・公的な社会保険にない保障を売りにしているから
・保険会社同士が競い合い商品を開発しているから
こうした理由から、公的な保障の範囲がわからないとその保険の商品性・有用性がわかりづらかったり、保険会社の競争によって商品のPRポイントが複雑化していたりするのです。
どちらも実はユーザーに寄り添った結果なのですが、それにより内容が複雑化してしまい「よくわからないものを勧められる」という不信感に繋がります。

でも「わからないもの」を買わないのは良いことだよね
このくらい慎重になってくれる旦那さんの方が私は安心できる!
夫が生命保険に加入したがらない時の3つの対応方法
生命保険の必要性を、夫自身に気づいてもらうことがポイントです。
夫の日々の労働を労いながら、以下の3つの対応をおすすめします。
将来の資金計画を立てる
もっともおすすめなのは、「将来の資金計画」を立てることです。
お金の専門家の間では、これを「ライフプランニング」と呼んでいます。
生命保険とは、働き手が亡くなったことにより減少する収入を補うものになりますので、必要な金額は人によって異なります。
そのため、まずはその家庭ごとのライフプランニングを行い、生命保険の必要性から検討を始めることで、ムダのない保険を選ぶことができます。
検討した結果、現状のままで十分であることが判明すれば、生命保険は必要ありません。

確かに!まずは「我が家に必要かどうか」だね
自分の生命保険についても提案する
ご自身が亡くなった場合の生命保険についても提案してみましょう。
例えば、夫がフルタイムで仕事に専念し、妻が家事や育児や介護を負担している状況で妻が亡くなった場合、夫は働く時間を見直さなければならず、収入が減少するリスクがあります。
生命保険は、大黒柱だけが加入するものではないのです。
そのため、夫の生命保険を提案すると同時に、ご自身が亡くなった時の生命保険についても夫に意見を求めると理解を得られやすくなる可能性があります。
「そういえば俺が残される可能性もあるのか」と気がづけば、なぜ妻がこれほど真剣に悩んでいるのか、理解するきっかけになります。
満期で保険金が受け取れるタイプを検討してみる
生命保険には、死亡以外にも「満期になると保険金が受け取れる」というタイプの保険が存在します。
このタイプの保険であれば、万が一の時の死亡保障をしながら、同時に将来の貯蓄としても機能してくれます。
お子さんが独立する年齢や夫が退職する年齢などに合わせて満期を設定することで、夫が亡くなった時の保障だけではなく、夫婦の老後に繋がる貯蓄の役割も果たせるため検討しやすくなります。
お金のプロに相談することもおすすめ
ライフプランニングによって保険の必要性を含む、将来の資金計画を考えることはとても大切なことです。
しかし、実現可能なプランを作成するには、収支の予測や配偶者が亡くなった場合に受けられる公的保障の知識などが欠かせません。
収支予測には、収入と生活費、教育資金、持ち家のローンの返済や修繕費用、車の買い替えといった支出について、なるべく正確に計算することがポイントです。
そこで、プロに相談するという選択肢があります。
FP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみる
「生命保険が本当に必要かどうか知りたい」、「自分も夫も納得できる保険を探したい」のであれば、アドバイザーとしてのFP(ファイナンシャルプランナー)の活用がおすすめです。
生命保険の必要性を含めて将来の資金計画に問題はないか、プロの視点で客観的に判断し、よりよくなるためのアドバイスを受けることができます。
また、個人向けにアドバイザー業務を行うFPの場合、保険セールスのように特定の保険会社の商品にこだわる理由がないため、ちょうどよく保障できるものを提案してもらうことができます。